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Channel: 大工かたさんの七転八起
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お買い物失敗!?

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 最近新発売の、丸鋸定規スライド20-37というやつを買いました。



 そもそも、下の写真の上側のやつ、マグネシウムの直角専用がとても気に入っていて、


 もう少し大きいのが欲しいな~と思っていたところでした。



 マグネシウムでフロア用のデカイのがあるけど、ちょっとデカ過ぎて普段使わないから、値段の割りにもったいないかなと。



 そういえば以前、購入予算を倹約して、こんなのを作ったりもしました。



 フロア用には便利だけど、やはりデカイので普段はじゃまになります。



 そうしたところへ、ちょうど良い大きさで、しかも角度も変えられるのが出たというから、

ちょっとお高いけれど、思い切って購入。



 ほら、道具カゴにも入るし。





 定規が手前に引けるから、破風のソギ継ぎなんかにも良さそうだ。




向こうに押せば、尺幅にも使えそう。




 良さそうと思って買ったんですよ。


 ところが、実は、購入後、パッケージから出して触ってみて、愕然としました。




 定規部分がスライドするのですから、このように別のパーツが組み合わされて出来ているわけです。



 それはいいんですが、なんと、この組み合わせ部分がガタガタなのです。


 脱落防止のラッチが落ちている状態だとあまりにガタガタなので、わざと中途半端な位置で、このネジを

締めて固定すると、ネジのある前方は動かなくなりますが・・・・


 


 

 後方手前側は、約0.6ミリ程度のアソビがあり、ガチャガチャします。




 また、さらに重大なのは、角度を変える中心となるヒンジにも、アソビがあることです。

 ここ、ね。



 たぶん、軸と軸受けの径の差に余裕がありすぎる。


 結果、黒い固定ネジを硬く締めても、芯は固定されないので、角度がカタカタ動きます。




 まさか! それはないでしょうよ・・・。 



 これでは、大工さんの定規としては、あまり役に立ちません。



 ひょっとすると、不良品かも知れないので、メーカーさんに電話してみたら、今日は土曜でお休みでした。


 来週もう一回、聞いてみよっと。



 ああ、損しちゃったかも・・・。


 ま、たまにはあるよね(笑)。


放課後の工作教室。

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 さて、h168さんお薦めの、現場用のラック。


 ホームセンターの近くを通るたびに物色してみたものの、良さそうなのを見つけられず。

 値段も2500円~ぐらいのしかなくて、ちょっと割高感が。



 そこで、常套手段ですが、夕方、現場片付けのまえに、ちょっと自作してみました。


 ちょうど良さそうな端材が倉庫にあったし。



 ちちんプイプイ・・・。


 ・・・出来た!

 


 飾りとかは、なしです。 質素な感じが好きなので。


 たまには鋸とノミの練習もしとかにゃいけん、ということで、釘ビスを使わずに組み立て。

 (といっても、カタめに刻んで叩き込んだだけですが・・・。)


 いちおう、運ぶときの為にバラせるようにしたんですが、めんどくさいので、たぶんずっと、このまま運んで使うような気がします(笑)。



 狭小3階建てなので、転倒が心配でしたが、試しにド突いてみても倒れないので、大丈夫みたいです。

 コマは、ずっと前にゴミ箱から救出したもの。


 材料費  : ¥0 

 工賃    : ¥0

 経済効果 : ?
 

 ボード山の近くに置いておけば、結構、便利良さそうです。

 
 こんなとき、大工さんって、便利かも~。

 工作好きな大工さん、一家に1人いかがですか?


 


 



 

失敗は成功の元!?

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 今日は、嫁さんが子供たちと里帰りしたので、独りぼっちです。

 そんな僕の、おバカ日記、聞いてください。


 例によって、カレーです。



 ちなみに昨夜のメニューは、ドライカレーでした。

 ドライカレーからの、カレーライスって・・・・と、一瞬思ったけれど、食べ物に文句は言わない主義なので。食べられるだけ、ありがたいのです。


 いただきまーす!

 ・・・・・。

 ごちそうさまー! 完食。




 
 そういえば、最近、現場での昼休みの思い出・・・。


 なんかいきなり、充電丸鋸の深さ調整のレバーが、グスグスになった。

 いっぱいに締めても、使っているうちに、どんどん下がってしまいます。こりゃいかん。

 するとここに、怪しいビス発見。



 でもたぶん、これは単なるストッパーかな。

 でも、このビスを締めてみたい気持ちがいっぱいで、胸が張り裂けそうになりました。


 ビスを回したい癖は生まれつきであります。理屈は関係ないのです。2~3歳で家中のビスを緩めて、何もかも壊したし、石油ストーブをバラバラにしたらしいので。


 もう我慢できません。

 でも、ドライバーは決して入らない狭さだし、分解するにしてもかなりバラバラになりそうです。

 そこで、ゴミ箱の中にあった棚支柱を見て、ピーン!と来ました。




 ダボの穴が、ちょうどビットの先ぐらいだ・・・。



 よし! 極短オフセットドライバーをつくろう!

 (オフセットドライバーってのは、これです↓。)





 まず、ビットの先をスポン!と切って・・・ 

 


 ダボ穴にはめこんで接着します。




 しめしめ・・・


 あれ? これじゃあ、まだ入らないや・・・。




 じゃあ、もうちょっと短く切って




 接着。




 今度は届きました。



 でも、ぜんぜん緩んでないから、締まりません。


 もー! よーわからんなー。

 分解してみる。




 待てよ、落ち着いてよく観察してみよう・・・あ!

 こんなところに、調整ボルト(イモねじ)みたいなの発見!



 ちょっと回すと、一発で簡単に調整出来ました!

 なーんだ。がっくし。


 昼休み終わっちゃったしー。

 あとに残ったのは、この極短オフセットドライバー。




 捨てるか、とって置くか。

 うーん、ビミョー・・・・。



 さて、明日もカレーです。



 あ、そういえば、明日は建前応援です。

 これから、道具の積み替えに行ってきます。そんで、早く寝ないとですね。

 アホな日記書いてる場合ちゃうかったですね。


 ではでは。















最近の現場風景・・。

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 自社物件ではないので、部分的な写真ですが・・・。

 新築手間受け現場は、やっとこさ、終盤戦へ。


 材料も、残りあと少しになってきました。





 ゴミ箱は、結局1度も入れ替え無しです。



 まだまだ入りそう。


 薪になるものは分別して、持って帰ってもらい、

 


 ボードは休憩時間にテトリスをして遊び、




 あと、ダンボールは縛って、回収ステーションに。

 こまめにやると、思った以上に、ゴミって減りますね。



 さて、h168さんのまねっこの、背骨工法。とても有用です。



 本当にスムーズに作業が進みます。

 切ってはめ込んだら、勝手に付くし。


 これ、置いただけです。

 一本物の材料を用意してもらえなかったので、木目がズレているのが残念。


 明日は腰板貼れるかな? ガンバロー!


ひとり暮らし満喫中。

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 仕事から帰って、庭の水遣りと、空き地の除草剤まき撒きをやって、それから道具の積み替えをしに倉庫へ往復。

 そのついでに食材を買ってきたので、今日は、晩ご飯づくりに挑戦です!


 ・・・といっても、料理は出来ないことになっているので、料理とは言えない程度に。


 まず、なすびを切ります。




 次に、カレーの残りに、h168さんがまえに教えてくれためんつゆと水をを入れて、




 茹でうどんをぶち込めば、カレーうどん。 どうだぁ!

 


 栄養バランスを考えて、冷蔵庫を物色すると・・・・なんと、牛乳を発見!



 完全食品だぜ~。

 あと、トマトもあるしな。



 あ、そういえばさっきのナスビですが・・・


 あれは、鈴虫のご飯でした!




 あと、クワガタ(♀)にゼリーをあげて、



 
 草ガメさんにカメのえさを40粒くらいあげて、




 それからスッポンにも30粒くらい。




 青ザリさんにもカメのえさでいいや、



 それから、カワムツとタナゴとドジョウさんには金魚のえさを、

 それから、こいつ



 ドンコですな、こいつは基本的に動くものしか食べないので、ミミズを取ってきてやります。

 一瞬で丸呑みにしますが、しばらくするとミミズが口から脱走しようと出てきて、格闘が始まります。


 よっし、ではやっと、人間にもえさをくれてやりましょう。

 いただきま・・・

 「ぴんぽーん」

 小包来ました。


 (続く。)

お買い物。

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 トシカネさんから、荷物来ました!




 本命は、ステン羽根定規。



 直角の精度がよく管理されていて、しかも剛性が高いので、現場でとっても使いやすい。

 やっぱり使って重宝なので、現在使っている平行定規を全て入れ替えて統一しようと、買い足しました次第です。

 数ある丸鋸定規の、最高峰。


 
 次はこれ。



 現場でいろいろ試して、また報告します。

 ひと目見て、大工道具の鑿というよりは、むかし板金屋さんが半田付けに使っていたコテを思い出してしまいました(笑)。今の若いひとは、見たことないだろな。



 あとは、調子の悪かったブロアの部品。

 前に100V機のスイッチを自分で替えたことがあるので、充電式にも挑戦です。


 バラバラにして、部品を替えたら元に戻せば良いはず・・・。

 あれれ、でもこれって、スイッチから生えている電線の数と種類が、取替え部品とは違うようですよ。



 お手上げです。

 おなか空いたし、戦意喪失。

 もう寝よ、あー、今日も見積もり出来んかった・・・・。



 翌日追記:


 すぐにトシカネさんから電話がありまして、解決の道筋をつけていただきました。重ね重ねお世話になります。

丸鋸に欲しい機能。

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 なんか、カレーの話ばかりでもアレなんで、たまには道具の話でも・・。


 (最近、一体なんのブログなのか、ますますわからなくなってきた気が。)




 えー、要望というか、案です。



 丸鋸の平行微調整機構は、調整ねじが機種によって、前側だったり後ろ側だったりします。


 どっちでも出来るなら、前後両方につけてもらえないでしょうか。



 理由は、平行だけじゃなくて、ベース端からチップ端の逃げ寸を、全丸鋸同寸に揃えておきたいから。



 そのメリットは、2つ。


 ひとつには、写真のような定規を、丸鋸1台づつそれぞれに合わせて作る必要がなくなるから。


 ふたつには、最近h168さんの真似っこして覚えた逃げ寸切りを、より確実にするため。「90.7ミリ逃げ」とかよりも、90.0に統一したほうが、速くて正確に決まってるから。



 大工さんの皆さんには、きっとわかっていただけるかと。


 メーカーの人にわかるかなぁー? わかんねーかなぁ・・・。



 リョービさん、見ておられませんか? トシカネさんのところから、見に来てください! 搭載されたら買いますから。

ただいま転び中・・・。

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起きるまで、しばらくお待ちください。


ちょっぴり悲しい出来事と、プチお役立ちネタ。

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 ここしばらく、仕事のついでに、現場のゴミを減量して遊んでました。


 上棟から交換ナシで、こんな感じ。




 すると今日、監督さんがやって来て、紙くず入りのガラ袋×3を、ダンクシュート!!



 ・・・そう来られましたかー(笑)。


 まあ、どうぞご自由に。僕がとやかく言う立場ではありませんから。



 ところで、工法にもよりますが、大工工事でゴミ箱の体積を占める割合の大きいゴミの種類が改めてわかりました。


1 ダンボール → 事業所ゴミでも廃品回収や回収ステーションを利用していいのかな?

2 白木屑 → 燃料として処分出来る。

3 合板類 → 合法的に焼却出来るルートがあれば、安価に処理できるのにな・・・。

4 かんなぐず・おがくず → 同上。

5 ビニルひも・ビニル袋・ブルーシート・ビニルシート類 → 畳むか潰せば、相当かさが減る。

6 石膏ボード → テトリス積みにすると、料金計算の立米カウントが0.6m3/棟くらいになった。


 次からは、これを踏まえて、手間も勘案した上で、妥当なやり方を探ることが出来そうですよ。




 話は変わり。


 現場で細長い材料を邪魔にならないように整頓するために、このような櫛の歯状のブラケットを使っています。

 



 結構いっぱい載せて大丈夫。まだまだいける。




 これって、ビス各2本の計8本だけで、壁にくっ付いてますが、今のところトラブル0です。


 ただ、何現場も繰り返し使うと、ビス穴が掘れて傘が沈んでしまうので、そういう箇所にはワッシャーを噛ませます。




 大きさを数種類用意しておくと、効果的に使えます。





 まあ、ほぼワッシャー本来の使い方なので、ぷちネタにもならないかもしれませんが。


 ちなみに、腕木の組み付けも、木ネジにワッシャー噛まして締め付けると、頬杖ナシでもガッチリするので、収納量アップします。



 柔木の枠組で、ちょっと強く締めたい時なんかにも使えます、細ビスに小さいワッシャーも、よく引っ張りますよ。

 

 ワッシャーの保管は、ガムや、駄菓子のラムネとかジューCの空きボトルが便利です。



 そんな感じで、ではではまたー・・・・。







定規の顛末。

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 回転軸のガタつきが初期不良かもしれないので、メーカーさんに点検をお願いしていた、定規の件です。


 回答が戻ってきました。


 

 問題は主に、回転軸部にアソビがあるため、固定ネジを締めても角度が固定されず、定規先端で1ミリ強のブレがあるという点でした。



 「 結論 : 精査したところ、問題なし。」


とのことでした。


 200mm先で-+0.7mm、振れ幅1.4mmまでは、規格の範囲内。とのことです。確かに、パッケージにそう書いてありました。



 どうやら、僕が無理な品質を求めたようです。



 丁寧に対応してくださったメーカーの方、ありがとうございました。

これから研ぎ物する前の日記。

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 デスクワークが溜まり過ぎなので、お盆明けは現場仕事を入れず、予定を空けておきました。


 すると、いつも通りのパターンというか、電話が鳴って応援要請です。昔お世話になった年配の大工さんからなので、がんばる事にしました。


 何でも、珠杢だらけのデッカイ板を、何枚も仕上げて欲しいらしい・・・。

 ペーパー仕上げじゃあ駄目で、かといって簡単には鉋を受け付けないのだとか。



 かつて、毎日毎日、親方に怒られっぱなしの頃には、こういう感じで声がかかる職人さんになることが、大きな遠い遠い目標のひとつだった気がします。
 
 
 でも、毎日が、何年も過ぎて、ふと気が付いたら、知らないうちに目標に到達してしまって。 ところが、いざそうなってみると、別に、どうということもないもの、だったりします。寂しいですが。


 で、倉庫に行って、いつでも使えるように研いである鉋を、すべて点検して、車に積みます。

 でも、時間が出来た夜中になってから、半分くらいは、もう一度、家で研ぎ直しました。


 研いであるのに、どうして研ぎなおすのでしょうか。

 それは、最後に研いでから時間が経つと、その鉋は、自分としてはベストとは言えなくなるからです。
 


 刃先が錆びる? いえいえ、錆びません。


 ちょっと前の自分の研ぎを見て、不満なんですね。

 もっと上手くなりたいと思い続けていれば、まさに日進月歩なわけです。


 
 では、仕事にかかります。

 なるほど、コーヒー豆みたいなブツブツ模様が、いっぱいありますね。



 どっちから削っても、半分は逆目になるというわけです。

 
 って言うか、電気がんなで逆目が掘れまくっているので、仕上げる以前に面を整える段階で、刃先を消耗してしまいます。

 (刃が新品のマイ電気がんなも2台用意して来ましたが、逆目は削れませんでした。)

 切れやんだら次の選手、また次の選手と、削って削って、また削る。




 まあ、こんなもんでいかがでしょう。


 合格もらったけれど、実は、あんまり綺麗な板とも思えない。

 値段はすごい高いらしいけど。 つまんない。


 帰ったら、また研ぎなおしておかないといけないし、割に合わない。
 だけれども、別途請求する気にもなれないし、現場で研ぐ気にも、なれない。


 削るとか、掘るとかいう仕事って、もっとワクワクしなかったっけか?


 はぁー、なんだか、どうでもいいなー。 疲れました。





毎日が本番です。

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 お盆前に大工工事完了の新築現場。 

 そろそろ、クロスが貼れたころなので、手すりや小物の取り付けがてら、偵察に行ってみることにしました。


 本来なら、監督さんから連絡が入っても良さそうですが、期待しない&あてにしない・・・。

 

 現場に着いてみると、誰もいないので、クロス屋さんも終わって逃げたようです。


 鍵を開けて現場に入ると、おや?




 キッチンの床に、カッターナイフが落ちています。

 刃が出たままですが、どうしてこういう状況になったのか、想像しにくいですね。


 それに、この重くてデカいカッターは、クロス屋さんが使うものとしては、ちょっと違う気がします。

 誰の?


 何歩か先に、今度はパテヘラが。




 そのまた向こうには、注射針が落ちています。

 
 
 何でこうなったのか、いまいち謎です。



 さて、余計なことはさて置きまして、手摺取り付けて、ハンガーパイプ付けて、物干し金物付けてっと。


 監督さん、3回くらい催促したら、やっと棚の補強金物は用意してくれたけど、化粧ビスは無しですね。

 まあ、そうだと思います。そんなもんでしょ。お約束です。




 いかにもありがちなことなので、各種用意してありますから、良いようなもんですけどね・・・。





 ところで、盆前の引き上げ時に、初見のクロス屋さんと1日だけ現場でご一緒しました。


 若い職人さんで、段取り良く綺麗にパテ処理をされていたので、早速電話番号を交換です。いろいろ雑談もさせていただいて、何だか良い感じ!

 僕が現在自社物件で主にお願いしているクロス屋さんは、年配でもあるし、スケジュールが合わなければ他のクロス屋さんを頼んで失敗したこともありで。求むクロス屋さん!なのです。

 

 でも、今日の現場を見ると、ちょっと残念・・・。


 敷地の横の溝に、パテの黄色い粉と、塊がたくさん。




 仮設水道のガーデンパン。 パテで汚ねーの!



 いちおう、設備屋さんからの、借り物ですし、みんなで使うものですからね。


 仕事の仕上がりを見なくても、お客さんの信頼を得られるような仕事が出来るかどうかは、こういうところに出ます。


 クロス屋さんに限らず、協力業者さんのほとんどには、仕上げ仕事をお願いすることになります。

 仕事の良し悪しが、そのままお客様に渡す商品の良し悪しに直結するので、工務店としては、協力業者さんの仕事は命です。

 
 普通に仕事が出来て、ちょっと行儀の良い業者さんは、喉から手が出るほど欲しい!!


 でも、どういう訳なのか、なかなか出会えるものではありません。

 別に、名人芸を求める気はないし、ちょっと気配りが出来るだけでいいんですけれど。



 現場ですれ違うだけでも、大工さんはこのようにして、鵜の目鷹の目で、他の職人さんの姿勢をよーく、見ていますよ。 こっちも商売がかかっています。


 各業者さんたち、どこを見られているか、ご存知なんでしょうか?


 仕事は、毎日が本番です。

 無論、己についても又、然り。

最後の砦。

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 新築現場最後の仕事は、玄関下駄箱の、棚板を作ることでした。




 散々催促して、やっと来た材料というのが、畳座の杉板の、厚くて抜け節の少ない板を選んだようなやつでした。


 幅210の板を、1.5枚はぎ合わせて、幅300にするようにと。


 中に桧が混じっていたり、激烈プロペラもあったので、そもそも枚数が足りません。
 
 それに、はぎ合わせは手間がかかるため、材料費を倹約したメリットは全く出ません。
 そんな手間があれば、もっと良い幅広の板材が買えて、お釣りが来ると思います。

 また、厚みはこれ以上落とせないので、どうにかして湾曲を殺さないと、シーソーになります。


 そこで、会社の人に強く材料の変更を進言しました。ちょっとキツめの言葉を選んで。

「この板が、売り物になると、本気で思いますか?」

「手間かけないで、ごく簡単にで良いんですけどね。」

(だめだ、論点がズレている・・・。)


 結局、検討していただくということになり、一週間が経過。さすがにシビレが切れて、催促をすると、

「足らないのは何枚でしたっけ?」

 カチン!!

「人をメモ用紙代わりにしないでください。それから、この前の話は、真剣な打合せのつもりでした。世間話だとでも思われましたか。」

「わかりました、本日中に結論を出します。」

 結局、この日も、次の日も、連絡はありませんでした。

 
 さすがにシビレが切れて、連絡すると、

「新しい材を用意する時間が残っていないので、どうにかしてください。」


 確かに、クロス工事開始が目前ではあるが、棚板設置は当分先に延びても支障はないので、意味がわかりません。でも、もうめんどくさくなりました。

「適当にやっておきます。」


 そもそもが、ボンド仕事は手切れが悪い(乾きを待ってから次工程ってかんじ)ので、早めに材料の催促を始めたのに、結局は現場撤収後に、自社持ち帰りで作業することになりました。

 癖を殺すように注意しつつ、はぎ合わせます。

 

 
 それでもかなりの癖が残るため、裏桟で矯正します。

 ビスでは力が足りないので、接着剤&クランプ仕事になります。


  

 出来上がりを見て、会社の人は、 最高!と言っておられました。

 でも、使っていて割れたり、カタカタしたりしてはいけないし、収納内とはいえ最低限の美観は確保したいので、これが必要最低限だと思って、僕は作りました。

 
 大工見習いを始めたとき、初歩の段階で教えられたことがあります。


「お客さんにとっては普通、家を建てるのは、一生に一度あるかないかのこと。それを忘れたら、職人は終わりだ。」


 現場で前線に立つ僕ら職人は、折角の新築で、お客さんを残念な気持ちにさせないよう、意味のわからない変てこスパイラルを食い止めることができる、最後の砦です。

 
 ・・・・。


 ・・・とか言ってみても、下駄箱の棚板。


 どーでもええなー。

 ・・・疲れました。

 

 

時には心を鬼にして。ところがですよ。

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 ある日、兄弟子から、急な応援要請がありました。

 2日後の建前、ただでさえ建前の連続と重複で十分な人数が揃わなかったところへ、熱中症と怪我とで欠員が2名発生とのこと。炎天下に、少人数でもって、アクセル吹かして屋根仕舞いを目指すのは、とても危険なので、増援を、とのこと。


 でも、2日後は、居宅のリフォーム工事の予定を組んでしまっていたので、僕は心を鬼にして、丁重にお断りしました。

 僕が何~んにも出来ない見習い君のときから長らくお世話になった相手なので、無理をしてでもお手伝いさせていただくべきところ、というか、普段は出来るだけそうするのですが・・・。
 お許しを~~・・ナンマイダナンマイダ・・・。



 ところがですよ。

 
 翌日、僕のお客さんの都合が急に悪くなり!ですね、リフォーム工事は期せずして延期に。



 都合が付いたので、建前に参加することにしました。


 自分の仕事で時間確保に苦心しているのに、なぜそうするのか、と、家でカミさんに絞られました。


 「いろいろよく考えた上で決めたことだから、もう許して欲しい。」

 「いいや、そんなことでは困る。」

 望まない議論が続いて、もう、テンションはガタ落ちです。


 でも翌朝、ちゃんと大量のお茶を用意してくれてましたね。(ホッ・・・)


 そして、建前に出発。
 覚悟の船出です。


 ところがですよ。


 かなりシンドイと、腹をくくって行った建前・・・意外と楽しかった!

 なんかね、みんなと目標に向かって、力を合わせて家を建てる!! みたいな感じが。



 最近、どーも忘れかけていたような、大工のスピリットが、ちょっとだけ戻ってきたような感じだったんです。
 

 その日の僕は、酷暑の建前に行って、逆に朝よりも元気になって帰るという、珍しい体験をしたのでした。


 そういえばここのところ、変な徒労感と我慢、そして諦めの連続だった気がします。

 船を漕ぐのに例えると、各自がバラバラな方向に漕いでいるような感じというか。



 自分で思った以上に、徒労感は心身を蝕むようです。
 
 僕が特に苦手なのかもしれませんが、気力体力を奪われるだけでなく、ときめきやワクワクが無くなって、景色が灰色に染められてゆくような感じがします。


 楽しく仕事するのは時に難しいものだけれど、やっぱりとても大事なことなんですね、きっと。




 

 

裏を研ぐ。

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 表はばっちり研げていても、鉋刃の裏の刃先の先って、油断できないものです。




 まず、話の前提として、裏出し・裏押しは、まーまーバッチリできることにします。

 (↓これはかなり使って汚れていますが。)



 で、仕事に使って切れ止むと、研ぎなおすわけですが、裏押しをしてから2回目以降は、裏の刃先を整えるのに、いまひとつ手早い方法がありません。

 裏出しを、研ぎ直す度に毎回やるのは手間喰いだし、かといって、裏押しで刃先を研ぎ込んでいると、だんだん脚が太くなって、後々手間喰いの刃になってしまいます。


 さて、ここで、ちょっと話を戻します。鉋の刃って、こんな断面です。




 切れ止んで、磨耗が見られるのは、下の赤い部分です。



 (押さえ刃が裏に傷をつけていることは、無いと思います。)

 刃先を拡大すると、極端に描けばこんな感じ。




 で、これを、返りがしっかり出るまで研ぐと、こんな感じ。赤いところにはまだ傷があります。




 そのまま仕上げても、裏の刃先には、傷が残ります。



 で、赤いところが無くなるまで研ぎ込むのも時間がかかるし、かといって裏を研ぎ込んだり、毎回裏出しというのも、上記のような理由で、やりたくないなー、と思うわけです。


 もうひとつ、こんなメカニズムもあります。

 裏出しで鎬を凹ますと、下の赤い部分が廻りの地金を押して延びるので、鋼の先がこごみますよね。




 鎬を研ぐということは、この延びた地金部分を剥ぎ取ってしまうことなので、



 
 結果として、裏の刃先が逃げるように元に戻ってしまうことになります。



 これを防ぐために、裏押しの前に地金の鎬を中透きする方法もありますが、グラインダーで研いでいるのと誤解されそうなので、気が向きません。


 そんなわけで、刃裏の刃先をピシッと仕上げるための、手早い方法が見つかりません。

 
 そこまでしなくても、紙をしゅーしゅー裂くくらいには切れるので、大体の木は仕上がります。



 
 でも、裏の刃先まで研げると、髪の毛に刃先を押し当てたら、枝毛みたいに縦に割ることも出来ます。
 
 見えるかな・・・。


 これだったら、柔らかい木や、かなりの逆目でも削れるので、便利です。

 研ぎ機は持っていないのですが、研ぎ機だと手早く良いところまで持っていけるでしょうか?




 本題は以上ですが、おまけ。

 穂をぶん殴るのに、木槌が手近に無いときは、玄翁の柄尻でど突きます。

 カンカン!



 捲くれてくるとかわいそうなので・・・。

 「また新品買ったの?」 とか言われますが、ちょっと気をつけると、傷みませんよ、と、思ったりするわけです。

 ではでは。



一体どうやって?

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 お仕事関連の野暮用で、急遽、お隣は兵庫県の姫路市に行ってきました。

 姫路といえば、国宝姫路城。


 
 実は、しばらく前から小3の長男が、歴史や城郭に興味を持っているようで、BS番組を録画して見たり、ネットで調べてみたりして、子供にしてはなかなか詳しくなってきています。

 今日は土曜日で学校も休み。夏休みにはチャンスが無かったので、弾丸ツアーではありますが、仕事のついでに親子で見学です。


 どどーん!!!!



 で、でかい~。

 しかも立派。

 
 こんな門、ぶち壊して攻め入ろうなんて、無理です無理無理。





 掛矢と大バールと、新発売のマキタ充電チェンソー持って行っても、何もしないうちに、飛び道具でやられてしまいますネー。


 天守閣の中に入って、最上層の第5層まで登り、外を見ると。
 
 まるで高層ビルからのような眺めが、眼下に広がります。高いところが苦手な僕は、あまり気持ちがよくありません。

 
 それにしても、木造でこんな建物が出来るなんて・・・。


 すごい高さ!

 重量感!!

 材木がでかい!!!

 トラックもレッカーも無かったのに!!!!

 設計した人も、作った人も、変態ですね。

 
 一体ぜんたい、どうやって・・・。



 2階建ての棟上げて喜んでいる自分が、なんだか馬鹿みたいに思えてきました。




 それに、石垣の高さも。

 こんな城に敵が籠もっていたら、もし、これを攻め落とすようにという命令を受けて、どんなに大勢の部下を与えられたとしても、全然やる気が出そうにありません。

 鉄壁の守りです。


 やるとしたら、圧倒的な大軍と物量で完全包囲して、干上がるのを待つしかないような気がします。

 そうなると、僕の専門知識の、地下水位低下工法が使えそうですね、城の外から、城内の井戸を枯らせます。成功したら、3日と持ちませんぞ・・・・もうええか。


 今日の一言。


「現場へ足を運びましょう。見ると聞くとじゃ、大違い。」


 思いがけず、栄養になったような気がした、土曜日の午後だったのでした。





 

下手の考え休むに似たり。

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 働いても働いても、プランニングや見積の作業が溜まる一方。

 なので、盆明けに覚悟を決めて、当分の間、現場の予定を入れずに、日中もデスクワークを中心に働くことにしました。


 大工日当の収入が無くなって、工務店の採算というものを、改めて考えさせられたりもしました。


 収まりと段取りがわかるのは大工の強みですが、それ以外の仕事は、何年やっても、まだまだ慣れが足りませんね。



 さて、とはいっても、たまには現場もやります。


 応援の要請にも少しは応えたいし、小規模工事でいつまでもお客様を待たせてもおけないので。


 あー! 現場は楽しい! それに楽ちん! 

 ヘロヘロのヨレヨレで現場に行っても、大工仕事だけは、何とか出来ちゃうから、あら不思議。


 そんなわけで、今週は縁廊下の改修です。



 先ずは、木製建具をアルミサッシに交換。

 レベルも立ちも通りも全部とっても悪いのですが、アレコレやって直します。

 
 ガラスを外してゴミになった建具枠たち。



 いわゆるタイヒです。台湾檜。 独特の芳香がします。


 幅40ミリほどの間に、木目が約100年です。すごいなー。



 特に豪邸というわけではないですが、この家を建てた昭和40年頃には、こんな材料が手に入ったんですね。
 今じゃあ、かなりの大金を積んでも、普通には無理でしょう。

 
 枠をバラそうとドツキ回しても、組み手がビクともしません。
 
 マルノコで傷めて抜いてみたら、ピタピタの2枚ホゾでした。悔しいけど、こんな正確で丈夫な加工は、真似できません。
 




 吊り束は定番の寄せアリでした。





 柱と、中鴨居(鴨居と欄間の敷居の兼用)の組み手は、込栓と車知栓の併用でした。



 男木を込栓で柱に呼び付けた上で、女木を車知栓で引っ張っています。50年経っても、よく効いてました。
 

 後からでは無理なので、きっと建前のときに、全部組んだんですね。やってみたいなー。



 何なんだろう・・・この感じ。 ふとした疑問?

 昔の人が作った物を壊して、新しく作ってはいるけれど、本当に良くなっているんだろうか、みたいな。



 いつになったら、やりたいことが出来るんだろう。

 仕事するために道具を買うのか、道具を買うために仕事するのか。たかがコンプレーサー1台買う為に、ボードだったら何枚貼れば貯金できるの? そんなことじゃあ、いつまでたっても、家作りにのめり込む暇がないような気がします。


 時間の余裕、資金の余裕、そういうものを、作らないといけませんね。どうにかして。痛切に、そう思います。


 一体、どうやって? 


 ・・・と、ここまでだったら、おそらく多くの人が、考え至るんでしょうね。 


 むー・・・。
 

記事の整理をする。

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 記事の整理をはじめました。

 軽い気持ちでスタートしたブログが、こんなにも続くとは思いもよらず、、、

 ちゃらんぽらんなテーマ分類をしてきたので、溜まった過去記事を訪問して下さる方には、とっても不親切な感じなのです。


 全記事を通読してくださった、という、ありがた~い訪問者様もおられますが、ここはひとつ、せっかく興味を持って下さる方のためにも、もうちょっと改善しようかなと。

 でも、記事の内容自体が雑多なので、どっち道、分類は無理かなー?


 なかなか作業が捗らないとは思いますが、よかったら、過去記事のテーマ別もご利用ください。


 ではでは。


留学生ラジークさん(仮名)の思い出

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 唐突ですが、学生時代のこと、隣の研究室に、ラジークさん(仮名)という、まじめな留学生の方がおられました。

 ラジークさんは、バングラデシュから、日本の土木技術を学ぶために、やってきました。
 
 日本とデザインのそっくりな国旗を持つ国、バングラデシュは、”ベンガル人の国”という意味で、国土のほとんどが、ガンジス川河口周辺のデルタ地帯となっています。


 繰り返される洪水によって肥沃な耕作可能地が広がる反面、近年の海面上昇もあって、水害のコントロールが欠かせません。そこで、ラジークさんのようなエリートを、災害大国である日本に送り込んできているというわけです。

 実際に彼は、「学んだ技術を持ち帰って、国を良くするのだ!」と、向学心に燃えていました。


 ある時、イスラエルから、高名な教授がやってきました。

 彼を囲んでディスカッションをしているとき、ラジークさんは、ずっと腕組みをして、真剣に話に聞き入っていました。

 (僕は英語がほとんど理解できないので、そんなラジークさんの様子と、それを指差している上級の大学院生たちが、気になっていました。)


 話が終わったあと、大学院生たちがラジークさんを取り囲んで、「おまえ、態度がデカイんだよ!」と、責めたてはじめていました。

 でも、ラジークさんは、一生懸命こう言っていたのです。たどたどしい日本語で。


 「母国では、目上の人の話を聞くときや、改まった態度を示すとき、叱られるときなどは、腕組みをするのが礼儀なんですヨネ。」


 ところが、大学院生たちは、それを無視して被せるように、こういいました。

 「郷に入れば郷に従えっていうんだよ!」

 「そーだそーだ!」


 そのとき、僕は少し離れた位置にいましたが、恥ずかしくて、、、まさに、穴があったら入りたい!気持ちでした。
 顔から火が出るかと思いました。

 (まずは相手の話に理解を示せ! それに、そんなことわざ持ち出しても、わかるわけないじゃん!)


 囲みが解かれた後で、僕はラジークさんに話しかけました。

 「気にしなくてもいいですよ、あなたは悪くない。作法もわかりました。しかし、彼らにはそれが理解出来ないし、理解しようという態度も無いので、無難に合わせておく方が楽ではありませんか。」

 ラジークさんは頷いたあと、母国の作法について、いろいろと教えてくれ、僕はそれを興味深く、きいたのでした。とても親しみやすい人柄でした。



 でも、彼の朴訥で頑固、生真面目な性格のせいで、日本人学生の一部とは、その後もずっと上手くいっていなかったようです。

 遠くからはるばる来日したエリートさんに、こんな子供みたいな地元の学生が度重なる失礼を働いて、まったく申し訳なかった!という感じ・・・。


 こういった無礼な学生の多くが、大手ゼネコンに就職しました。現場で下請けさんに嫌な思いをさせているんじゃないのかなー、という気がして、残念です。


 あれから20年も経ったので、ラジークさんはきっと、お国で偉くなって、立派な仕事をされているんじゃないかなー、と想像しています。

 もっと友達になっておけば、よかったなー。惜しいことをしました。


 ・・・国際人って、何なんでしょうね。


  

新品が追加されました。

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 うちの玄関先に、いきなり、にょっきりと生えてきてパッと咲いた、彼岸花。



 埋め戻した土に球根が混ざっていたのでしょうか?

 ちょうど秋分の日に合わせて、他の群生とぴったり同時に咲いて、とても不思議です。


 そして、その生命力に、愛おしさを感じます。






 そんな秋の土曜日、今日はどーもソワソワして、仕事が手に付きません。





 4人目ともなると、なんとなくタイミングを感じるのかもしれませんね。







 9月24日午後、不肖私の3男坊が、人生のスタートを切りました。
 


 おとーたんでちゅよ。よろぴく。


 平成28年生まれ!! なんかすげえ・・・・子供はまさに、未来です。 なにしろ西暦2100年の世界を、その目で見るかもしれないんだからね。

 
 そして、明くる日曜日は、小学校の運動会です。 お仕事はとりあえずほったらかし。

 がんばるー!
 


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