Quantcast
Channel: 大工かたさんの七転八起
Viewing all 778 articles
Browse latest View live

やり方を変える

$
0
0

いろいろあって、先週は仕事で、ずいぶんと体に無理をしました。


まあ、どっちみち他に方法があったとも思えませんが、ボロボロになりました。



コメント欄で「睡眠不足はいけませんよ。」と言われ、その通り。


集中力も落ちて来てます。




そこで今週は、夜はさっさと寝ることに。

仕事は朝早起きしてする。疲れていたら起きられないので、諦める。


こうすると、体力・気力は徐々に回復します。

ただ、ブログをいじって遊ぶタイミングが無くなりました。今は土曜の夜で、久しぶりに。


そんな今週末、また割り込み仕事が2件降って湧いたので、どうしようかなーと。



そんなこと言ったって、どうにもなりませんわな。 おやすみなさい(笑)。


変だと思い始めると、どんどん変だとしか思えなくなる。

$
0
0

 こんばんは。


 いよいよ、暑くなり始めましたね。


 自分、暑さにはわりと強いので、今のところ快適です。




 今年はホタルの当たり年らしく、我が家の庭をチラホラ飛び回っています。


 リビングからウッドデッキに出ると、田んぼのあたりから山裾にかけて、20~30匹くらいは見えます。


 綺麗です。


 知らずに越して来たけれど、まさかこんな所に住むことになるとは。



 ホタルの他には、少ないですがマムシもいますよ。いりませんけど。


 あと、たまにサルもでるらしいです。一昨年、スイカを3個、盗まれました。



 あと、イノシシはたくさんいますね。夜、庭に出て耳を澄ますと、イノシシがやぶを踏み分けて歩く「ワシワシ」という音が聞こえます。姿は見えませんが、すぐ庭先で、何匹もがフゴフゴブヒブヒ言っていることも。


 

 そういえば我が家では、シシ肉をよく貰うので、普通に食べます。普通のおかずですね。弁当にも入ります。子供たちも好きですよ。


 臭いやつはマジで食べられません。アレは血抜きが下手なのか、よっぽどハズレの個体なので、残念ですがさっさと捨てましょう。でもそんなのは滅多にありませんよ。




 仕事はいろいろなことありますが、最近特に気になったことで、いま真剣に考えていること。


 それは、応援の大工さんに手間代を支払うときに、消費税を納税している大工さんには、8%の上乗せをするべきじゃないかなと。


 これはたぶん税法上当たり前なんですが、まわりで実行している人は誰も居ません。



 自分も、人によって日当(じゃないけど)に差が付くのは、難しいかなと、思っていました。例えば建前に大勢呼んで、仮に2万円なら、渡す額がそのまま2万円の人と、2万1600円の人とが出来るわけ。


 どう見られるだろうか。


 逆に現状では、一律2万円を渡して平等なように見えて、実は、課税対象業者の人は約1500円凹んで損していることになっています。それって、変じゃないですか?


 

 人を頼む側としては、出費が増えて不都合なように思えるかもしれませんが、少しでも職人さんの収入をまともな状態にする為に何かできることはないだろうかとおもう。



 それと、「日当」という、わかったようで実は訳のわからない報酬制度について、各自考え直してもらえないかなと思うのです。



 くどいようですが、「日当」は、日当と言いながら、賃金ではありません。売上なんですね。


 

 「日当」から消費税と自動車の維持費と燃料台を差し引いただけで3000円くらいは減って、さらに道具代や保険料、その他経費が無くなると、まったく寂しい残りの金額が、「賃金」になります。



 釘袋とゼットソーだけ持ってきて 「なにすればいいの?」 と突っ立っているおじさんと、


 コンプレッサーからはじまって一式何でも揃っていて図面の読める大工さんとが、


 「1人工」とかいって、同列に扱われるのもおかしな話です。



 仕事の正確さとスピードが全然違うのに、金額だけで、「高い」とか、「安い」とか、カイシャの人が言っているのを聞くと、腹が立ちます。 アホじゃないの?



 どうやったら、まわりも巻き込んで、職人さんたちの生活や仕事環境がもうちょっと、まともになってゆくだろうか? と、そんなことを思いながら、仕事しています。


 でも、手間請けの親方にとっては、なかなか付き合いきれない厳しい話でしょうね。


 

 あと、話は変わり、よく知りませんがたぶん盗難品を販売出来るネットオークションは、警察の管理下に置くとか、早く仕組みを整備して下さい。

 そういうのは、誰の係りなんですか? 仕事が遅いです。古物商と同じでしょ。やっていることが片手落ちです。


 他人の生活を破壊して金銭を得ようとする泥棒は、全員監獄行きです。当たり前です。当たり前と現実とを、出来るだけ一致させるように、真面目に考えて下さい。



 まじめな人が馬鹿を見るようなことが続くと、荒れてつまらない世の中になってしまいそうですから。


 



 



営業マンという仕事。

$
0
0

 僕は物品販売の営業の仕事をしたことがないので、今日の話にはたぶん、根拠の乏しい憶測も入ることを、予めお断りしておきます。


 地元のとある工具メーカーの営業さんで、仕事熱心な方が1人おられます。


 足を使ってよく現場を廻り、職人の仕事を理解しようとされています。

 

 たまに、故障を口でなおそうとするので、そこはちょっといただけませんが・・・。


 まあ、その営業所で突出した存在であることは確かだと思います。



 

 現場でお会いしたときに、製品の長所短所や、改良して欲しい点、改良の案などをお話しすると、熱心に聞いて下さいます。お話をうかがうと、正直で博識で、勉強になります。


 でも、展示会の会場でお会いしたときには、僕と目があっても知らん顔というか、ほとんど相手にしてくれないんですね。


 何故でしょうか?


 ひとつには、僕が必要なものはいつでもすぐ買うし、必要無い物は安くしても買わないことを、知っているからでしょう。


 でも、本当の理由はたぶん、下手に話しかけたり新製品のアピールをしたりすると、他のお客さんたちの前で、欠点まで丸裸にされてしまうことを、嫌がっておられるんじゃあないでしょうか。


 言い訳するのも苦しいし、「はいはい仰る通り。」 とも言えません。


 営業さんは、本社が作って来たものを、とにかく売るしかないのですね。自分が本当に良いと思ったものだけを売る。では、通らないでしょう。


 きっと自分の給料の何十倍もの金額を、毎月毎月、売上げなければならないのです。



 現場で職人さんにあれこれ言われて、製品についてわかってきたこと、問題点、改良案等、本社に伝えても、伝言ゲームの途中に、わからない人が1人居ると、そこで破綻してしまいます。



 どんなに妥当な案でも、お偉いさんが何故かゴーを出さないと、商品には反映されません。


 きっと、大変なお仕事なんです。



 なので、現場のことなんか知らないや、どうでもいいや、という営業さんが出てくるのも、あるあるなんだろうな~・・・と。


 

 会社全体とか、営業所全体に期待をすると、裏切られて辛い思いをするのが目に見えているので、こちらサイドとしては、本気で付き合おうと思える営業さんを見つけて、付き合うことでしょうか。


 

 まあ、呆れた話には枚挙に暇がありません。営業マンさんも大変だと思いますが、あんなのを大勢雇用している上司や経営者さんも、さぞかし大変だろうなと思います。


 みんないろいろ我慢してるんですねきっと。



 ただ、人の話は本気で聞いた方がよいのにな、と思います。


 そんで、なおせるところをなおしていけば、みんながだんだん楽しく仕事出来るんじゃあないかな~、と、思ったりします。


 そんな感じです。

 

不正転売防止タグの提案。

$
0
0

 小欄の読者様方のところで、立て続けに道具泥棒の被害があったようです。


 建築現場や職人さんの自宅駐車場の車、倉庫の施錠を壊されて、相当額の機械工具が持ち去られるという犯罪被害です。




 コメント欄で、被害者の方が犯人を呪って書きこまれた言葉を見ました。



 普段は、そういう言葉は使われそうにもない方なだけに、その辛さがひしひしと伝わってきて、いたたまれなくなりました・・・。


 

 被害を補うだけの金額を工面するのに、働いて働いて、どれだけの月日がかかるでしょう。


 それだけのお金があれば、かわいい坊やをテーマパークに連れて行ってあげることも出来たかもしれません。



 ただでさえ厳しい職人さんの生活を破壊する犯罪は、絶対に許せません。



 さて、このようなことが相も変わらず頻発する原因をいくつかあげてみます。


1、 犯人の幼稚な利己主義。

2、 現場作業の機械化による、高価な工具の種類と数の増加。

3、 盗難品を転売しやすい環境。具体的には、特にネットオークション。



 3、については、社会環境の変化に対応して、法整備や捜査手法が追いついていない。よって、行政の怠慢という人災の側面もあると思います。(ん?どっちみち、もともと人災か・・・。)



 繰り返しになりますが、機械工具を盗まれると、職人は、生活を破壊されます。 

 

 もし実際に被害にあったらと思うと、恐ろしくてたまりません。




 このような中、個人的な自衛の努力だけでは限界があると思うので、ここでひとつの方法を提案させて下さい。


 前に一度どこかで同じことを書いたことがあって、過去に似たような試みがあったということをtoshikaneさんから伺いました。しかし、その当時とは、上記の2、3、の点で、状況が全く変わったと考えます。



 さて、まず、メーカーさんは、製品の本体に付属して、「不正転売防止用タグ」を交付します。




 本体のシリアルナンバーを記載し、偽造防止加工を施します。



 タグには、以下のことを明記します。



「このタグは、本体とは別の場所(自宅等)に厳重に保管してください。」

「転売の際にタグの添付がなければ、盗難品である可能性を疑われます。」


(↓自宅に保管の図。例えば引き出しの中とかね。)




 で、理想的には、法整備ができたなら、


「タグの添付なくして、古物商、ネットオークション、露天商等で、不特定多数に向けて売却しようとする行為は、法律で禁じられています。違反した場合は、処罰の対象となります。」


 ・・・ってね。



 ↓ ネットオークションにこんな写真が載っていたら、



 あれ?!  タグがないじゃん、盗難品じゃyないの?  ・・・という仕組みです。



 あ、そうそう、本体にも忘れずに、


「不正転売防止機能装備品!!」


「購入時に不正転売防止タグを同梱しており、正当な所有者様が保管しております。」


って、目立つようにね。




 この方法のメリットは、



・メーカさんのコスト負担が少ない。と思うたぶん。


・法整備を待たなくても、ネットオークションの主催者の協力で、運用できる。


・オークション主催者の協力がなくても、利用者の良心で判断する有力な材料となる。


・シリアルナンバーの管理が向上して、盗難の際に、追跡が可能となる。



 僕は、既に、この方法を採用できないか、工具のメーカーさんにお願いしてまわっています。これからも、しつこく言い続けようと思っています。


 皆さんも、もし良い方法だと思ったら、地元の営業マンさんにお願いして下さい。数は力になりますので。 僕ひとりだと、軽く無視されますから、たぶん・・・。




 また、もっと良いアイディアのある方は、是非教えてください、お願いします。





 そうそう、メーカーさんにもメリットがないといけませんよね。


 ありますよ。



 盗難の被害に遭うと、ユーザーは防犯に対して、ますますナーバスになります。


 盗難防止効果は、商品の大きな付加価値になりますよ。



 しかも、被害者の方が仕事をするには、もういちど道具を買いそろえねばなりません。


 充電池の互換性の問題もあり、普段は乗り換えが難しくても、まとめ買いなら盗難防止機能付きのメーカーを選ぶことも考えてしまいそうです。


 

 他社のシェアを切り取る、チャンスかもしれませんよ。




 最後に、もうひとつ。


 プランBもあります。


 窃盗犯をもっと重罪にして、当分は檻の中に入ってもらう。

 お巡りさんも、もっと本気で捜査する。

 ・・・これらの方が、効果はありそうですけどね。 


 ではでは。



 




 

いきてます。

$
0
0

 ヘンテコ発明のアイディアもいろいろあるし、現場ネタもあるけれど、なかなか記事に出来なくて。何だか、ブログネタもどんどん溜まっていくと、体にも良くないような気がします。


 でも、あまり夜更かしはしない方向で頑張りたいので、記事はまた今度書きますね。


 現場のこととか、鋸の紹介などを考えています。



 明日の夜は、仲間の大工さん達と晩ご飯の約束なので、また先延ばしかなぁ。


 また見に来て下さいね。 ではでは。

PR: 「18歳選挙」 いよいよスタート!-政府広報

ここしばらくのお仕事の中から。

$
0
0

 柱の足元が腐ってしまい、かなり傾いちゃった、倒れそうな門の修繕。



 シロアリにもやられて、指がブスッと刺さるくらいボロボロ。


 でも、根本的な解体修理ではなくて、補修・補強での対応がお客様のご希望。


 うーん・・・どうしましょ。



 駄目な柱のうち、交換可能な2本は交換。


 元のデザインを殺さないように気を配りながら、添え柱4本、ヤスメ1本、そして転倒防止の独立丸柱2本を追加して、出来上がりました。




 チンドン屋にならないように、自分で古材と同色に塗装しました。防腐処理にもなるし。


 足元には水の吸い込み防止処置をした上で、硫化カリウムで焼いた銅版で根巻。硫化銅版だと、ピカピカしないので、良い感じです。



 完成写真だと、何事もなかったのかのように建っていますが、パイプサポートやらジャッキで突っ張ったり押したりして、まっすぐに起こすのがそりゃもう大変でしたよ。


 柱を追加しないと、安定構造とするのに無理があるので、独立の丸柱を2本追加です。角柱にしなかったのは、目立って圧迫感を出して欲しくなかったからです。



 うーん、すごく難しかったけど、出来てしまったら、普通かも・・・。





 現場は変わり、軒天や庇の裏の化粧ベニヤがボロボロになったお家の補修。


 和風で手の込んだつくりなので、ケイカルを貼ったり塗装してしまうと、家が死んでしまいそうです。



 ところが、お客さんは屋根は触らずに直して欲しいとのご希望なので、仕方なく、下から全部削り合わせで杉板を化粧張りするという荒技に出ました。

 


 しかも吹き寄せです。


 もう、ひたすら力押しです。


 

 庇の長さがとても長くて、屋根形状も複雑だったので、材料が20坪近く必要でした。そんなに多くないだろうと、何度も計算しなおしたけれど、貼ってみたらやっぱり20坪くらい。


 しんどかったけれど、こういうやり方をしたら手間がどのくらいかかるかという、データは取れましたよ(笑)。

 出来上がりのほうは、なかなかええ感じになったような気がします。手前味噌というか、これはやっぱり杉の木が持っている不思議な力だと思いますね。



 こういう仕事と新築と、建前応援を掛け持ちで替わりばんこにやって、なんだか疲れました。


 でも、明日も建前応援なんですね。



 うおっし! がんばるー!!

手鋸たち(1)。

$
0
0

 「手鋸」ってのも、なんだか変な言葉なんですけどね。


  丸鋸が普及して、区別するために自然とできた言葉なんでしょうか?



  さて、実は、僕が車に積んでいる鋸の数は、異様に多いです。


  理由は主にみっつありまして、ひとつには、アパート暮らしで倉庫も無くて、車が倉庫代わりだった時代の、名残ですね。


 ふたつには、いざ欲しいときにサッと出てこないと、何の役にも立たないから。


 みっつめの理由は、クイズといたしますので、よかったら言い当ててみてください。特に意外な理由ではありませんから、簡単かなとおもいます。



 にしても、何でこんなに沢山積んでいるの?



 

 多いですか? え?少ない?



 実は、もうちょっとだけありまして・・・。

 現場に着いたら真っ先に降ろすごちゃごちゃカゴの中に、隠れています。




 全部出しますよ。

 はい、これで全部です。



 ゼットソーの柄が3本と、刃が、9寸、9寸ボロ、8寸、ボード用、デコラ、ハイスパイマン、それと、細工鋸欄間引です。


 ハイスパイマンというのは、鉄芯入りの雨樋とか切ります。


 欄間引きは、杉板とか化粧ベニヤの細かいところを切ります。コンセントボックスとかも。引き回し鋸だと、茨目だし目が粗すぎて、切り口がバラけてしまって、駄目ですね・・・。



 特に鋸好きというわけではないんですが、必要に迫られて、こんな感じです。


 使うのは下手っぴですが、仕事なのでそうとばかりも、言ってられない感じですね(笑)。



 続く。


手鋸たち(2)。

$
0
0

 では、このちびっこい鋸の鋸巻きを開いてみます。





 手前から、ダボ切り、8寸目両刃、以下7寸、6寸、5寸です。




 全籐巻きのやつは、買った年代が古いことを示しています。ここ6年くらいは、鍛冶屋さんに無理を言って首だけ籐巻きの桐柄にしてもらっています。持ちやすいので。


 柄が汚れていないのは、使っていないからではなくて、化粧仕事のときは手を洗って、手袋をするせいだと思います。


 全部、量産品なので高価ではありませんが、使い良いので気に入っています。




 このダボ切りは、ダボ切りには使いません。


 アサリが無いので、引き尻にまくれが殆ど出ないし、鋸道が細く直進性が高いので、柔らかい木の正確な切断に重宝します。例えば、竿の組み手や竿彫りとか。それと、あとほんのちょっとの摺り鋸にも良いです、相手に傷を付ける心配が少ないですよ。



 続く。

 

手鋸たち(3)。

$
0
0

 さて、でっかい鋸巻きの中身はというと、主に刻みや屋根仕舞いで使う鋸です。




 手前から、尺1両刃のピンピン、9寸、尺2太鼓、尺1やや切れ止み、プロンリー縦横斜め、です。



 黒い太鼓引は、昔、中古品を買い求めました。刻みで丸鋸の届かない部分をぶち切るには、替え刃よりも目立て式のデカイ鋸のほうがずっと早いことに気がついて。


 重宝します。でも、太鼓引はあまり好きになれません。刻み仕事があったら、1.2~1.3尺両刃を買い足したいところです。


 プロンリーは、はっきり言って出番がありませんが、親方に最初に買い与えて貰ったものなので、どうしても手放せず。



 太鼓以外は量産品です。桐柄が汚れていないのは、滅多に使わない証拠ですね。あーあ、バレちゃった(笑)。




 次のを開けてみます。



 手前から、身が薄いから軽くて速いベニヤくねくね切り用のレーザーソー、次が屋根や足場の上で細かい仕事に使う、人に使われても諦めのつく犠牲用ゼットソー7寸目、次の黒いのが手打ちの中古品切れ止んでいる8寸両刃、次が一番活躍している7寸両刃の何にでも使いやすいやつに、一番奥は240のアサリなし横引きです。


 アサリ無しは、引き尻に捲くれが出にくくて、際がシャープで、直進性が高いです。これを利用して、床貼りのときの柱の首切りに重宝します。目がそれほど細かくないわりに綺麗に引けるので、スピードも追求できます。

 ただし、鋸身の中すきだけで渋りを低減しているので、喰い付きには要注意です。量産品といっても硬めなので、無理をすると一発で割れるような気がします。


 さて、ここで問題。切れ止んでいるし、たいした精度でもない手打ちの8寸両刃ですが、専門の大切な役目があります。両刃でないと務まらない、ある決まった用途とは、いったいどんな作業でしょう?


 続く。



手鋸たち(4)。

$
0
0

 最後の鋸巻きを開くと、昔作った導突鋸用のケースが入っています。




 この導突は、昔むかし、見習いの頃に思い切って買った、思い出の品です。



 

 とある応援現場で、よその親方が、


「おいお前、化粧の内のり入れたことあるか?」


「ありません。」



「んじゃあ、ひかり方はわかるか?」


「見てたので、わかります。」

 


「よし、じゃあやってみろ。導突鋸を出せ。」


「持ってません。」



「じゃあ、明日まで待ってやるから、やる気があるなら買って来い。」



ってなわけで、どんな鋸を買えば良いのかイマイチよくわからないまま、金物屋に走って行って買い求めたのが、これ、というわけです。


 ちょっと癖がありますが、全ての鋸の中で、いちばん値段が高いんですよ。



 他に、新しい8寸導突が一丁と、細かいダボ切りが一丁。




 この8寸導突きは、精度抜群です。





 基本鋸は、先調子で振って軽い感じのが好きですが、導突は重くても使いよいですね。


 背金があると墨を狙う邪魔になる、という人もチラホラみえますが、僕は両目を同時に使って狙えるタイプらしく、背金の向こうに隠れている墨や刃先も見えるので 、気になりません。



 手鋸は以上ですが、手鋸でなければやり難い細工(竿のイスカ継ぎとか)もあるものの、多くの作業で、こいつには敵いませんね。


 

 わが社のエースマシンです。


 何年使っても汚れないので、時々「また新しいの買ったの?」って言われます。



 速い、正確、美しい。  残念、機械には負けます。 



 だって、切り落としたヘタの木口がこんなにつるつるだもんね。手鋸じゃあ、無理無理。




 続く。

手鋸たち(5)。

$
0
0

 ダイケンの養生はホゲホゲのごみが無限に発生するので、合板を雨養生する透明シートを、養生の養生に敷いています。


 こうすると、お掃除がとっても楽なの。




 余談はさておき、手鋸ですが、あんまり出番が無い中で、例えばこんなときに使います。



 勝手口の框の留め。



 ゴリゴリ。



 でけた!


 いちばん単純な基本形。



 基本形といっても、ほとんどの場合は、この形で用が足りるかも。



 組んだら、裏から矢を打って締めます。


 


 この木はモアビで硬いので、矢道には滑り勾配をちょっと付けたりする。


 柔らかい杉とかだと、平行のほうがいい気がする。



 念のため、直角を確認。




 オッケー。


 留めもついた感じ。




 関係ないけど、この木は仕上がってもこのような市松模様です。



 逆目はある程度とまっているんですけどね、おもしろーい。



 仮組みしたら、取り付ける現場付近にほったらかしておきます。

 


 デカイ留めや力のある木は、数日してから狂いを見て、本組みします。


 時間の許すときは、ですけど。



 ちなみに、正直に言いますが、押し切りやビスも、効率よく使います。


 手鋸と組み手だけで作っているわけではありません。




 あ。背骨も入れておけばよかったかなー。











手鋸たち~クイズの解答編。

$
0
0

 クイズ出してました。


 (マサさんしか答えてくれなかったけど。)



 この鋸の専門作業とは、いったい何でしょう?



 ・この鋸はそれほどよく切れない。


 ・この鋸は精度がそれほどよくない。


 ・両刃鋸でないと務まらない。



 正解は、こうです。


 横引きで、しゅっしゅ。( ×2 回 )




 もうわかりますね。




 入り締りの蟻溝ですよ。




 今度は縦引きでゴリゴリっと。




 というわけで、正解は ”イナゴ道を切る” でしたー。


(写真は本物の天井板じゃなくて、模擬的に適当な杉板です。)




 イナゴというのは、こんなやつです。



 

 となりの天井板を挟み込んで押さえる役割をします。


 こんな感じ。



 手で引っ張ったくらいでは、抜けませんよ。


 

 このやり方にはいくつかのツボというかコツがありますが、その昔、現場で見て盗みました。



 2階から、先輩の仕事が見える座敷をこっそりと覗いて。


 作業の音がしないとすぐに怪しまれるので、玄翁、丸鋸、釘打ち機なんかを用意しておいて、適当に鳴らしながら、そーっと、見てましたねー。



 幅の広い板材の伸縮を上手く逃がしつつ、下から見たときには隙間が出来ないようにする、昔の大工さんの知恵ですね。


 さて、前回の日曜に書き溜めておいた記事も、今回で終わりです。


 お付き合い、ありがとうございました。ではでは。


  









新人獲得に向けて。

$
0
0

 とりあえず、先週末は、散髪に行きました。



 ちょっとでも、きちんとした人間に見えるように。



 今週末は、地元の工業高校に、採用活動に出向きます。


 生徒さん1人に対して、求人が4件の売り手市場だそうで、基本、零細業者は相手にされないらしいですが。



 しかも、待遇や福利厚生について説明を求められると、僕はこう答えるかもしれません。



 「安定した月給や、将来の保障は、職人修行にとっては毒にしかなりません。1日でも早く仕事を覚えるしか、まともな収入を得て生き残ってゆく道は無い。と気がつくから、必死でがんばって、一人前になれるのです。若いうちからフヤケさせてしまったら、本人のためになりません。」


 「お引取り願います。」 になるでしょうかね笑。


 でも、建前だけのキレイごとは、嫌ですね。


 どの道いづれは、通用しませんからね、同じことです。




 そもそもが、特に大工という職種は、毎日毎日、仕事の内容が変わります。



 建前もあれば、タイル風呂の解体もあれば、コンクリ仕事もあれば、削り物、ボード貼り、細工物・・・。


 同じ失敗を2度3度しないようにと言われても、次のチャンスが来るのは1週間後かもしれないし、1ヵ月後かもしれないし、来年かもしれない。そのときに向けて、反省と準備が出来なければいけません。


 また、同じ作業内容でも、元請が変わったり、予算が変わったり、材料の都合が変わったり、親方の気分が変わると、収め方が変わってしまうことも当たり前です。


 ですから、最初のうちは、誰でもが、わかる訳がないし、出来るわけがないのであって、でも仕事ですから、出来なければ叱られ続けるのが当たり前、ということになります。プロの世界に入るということは、そういうことです。


 ですから、とにかく辛抱して、ホウキの振り方や挨拶の仕方から、ひとつひとつ覚えてゆく以外に、方法がありません。


 「大工修行は、始めの3年くらいが山だ。」


と、言ったりしますが、上の話のような意味も含んでいるのではないでしょうか。



 そんなの、今どき流行りませんよね。


 だから、人手不足になっているんだと思います。



 人手不足だから、移民政策を。と主張している、コンサルタントや学者、政治家の人たちがいますが、前から僕は同意できません。


 技能労働者を馬鹿にしているんじゃあないですかね。


 外国人労働者の増加は、賃金低下を招き、人材不足を招き、技術力の低下を招き、国際競争力の低下を招きます。現にチラホラと、その兆候が見えます。


 ドイツやイギリスで移民政策の失敗が表面化して来ましたので、いくら鈍くてもそろそろ、気が付いてもらいたいものです。



 現場に向かっていたら、電話が鳴ってUターン。みたいなことが先週は多くて、疲れました。これからは建前応援が当分続くので、一体どうなるのか、正直不安です。



 経営は、思った以上に難しい。



 思い切り大工仕事に、没頭したいだけなんですけどね。


 政治なんか興味無いのに。


 さて、寝ます。とりあえず明日は建前応援です。 がんばるー!

梅雨明け近いかな?

$
0
0

 きょう月曜の夕方、カミナリ様がドンドコ鳴って、かるく夕立が来ました。


 現場を離れる頃には、田植えの終わった緑の田んぼの向こうに、見事な虹が見えました。

 今日はまっすぐ家に帰ると、晩御飯のおかずに、小魚のから揚げ。



 日曜の夕方、子供たちがせがむので、遊びで釣りに行ったら意外に沢山釣れた、セイゴとハゼです。


 いっぱい釣れて、楽しかったね。

 

 お父さんは絡まった糸を解くのと、餌の付け替えで忙しかったけど。




 美味しい、美味しいといって、喜んで食べる子供たちの笑顔。



 まあ、瀬戸内海の小魚は、もともと本当に美味しいんですけれどね。


 自分たちで釣ってきた魚を、料理して食べるって、なんかいいなって、思いました。



 大切な屋根仕舞いの応援依頼をお断りして、家族と過ごした日曜日。


 ほんの小さな日曜日ですが、これも僕の人生の貴重な貴重な、1ページなのです。



 


まだ梅雨でした・・・。

$
0
0

 雨模様が続きますねー。



 明日は建前応援ですが、雨がらみ。


 化粧材あり、プラス、翌、水曜日は降水確率が高いので、延期が妥当だと僕は思いますが、判断の難しいところでしょう。



 ところで、道路を横断中のカエル君たち、ごめんね。


 出来るだけ気をつけて通ります。ごめんねー。

カエルのうた。

$
0
0

(昨日のコメント欄に書いた落書きの写しです。)




カエルも帰る

あの世に帰る

車にひかれてペッチャンコ


カエルも帰る

あの世に帰る

こわい車にはねられて

食用ガエルがひっくりかえる



道路渡るはこわいけど

行ってみたいの向こう側


美味しいエサがあるかもよ

かわいい彼女に出会うかも


モリモリ食べて大きくなって

元気な子孫を残すため


誰に習った訳じゃない

何故か何かがそうさせる


だけど世界は厳しいの

生き残れるはひと握り


今日は梅雨どき雨降りだ

暗い夜道でいっぱいの

カエルの勇者ペッチャンコ



人間様のご用事は

車でうちに帰るだけ


だけど世界は厳しいの

強くなければやられるの

賢くないとひどい目に


たとえ強くて利口でも

運が悪けりゃペッチャンコ



カエルも帰る

あの世に帰る

おいらも帰る

いつかは帰る


今日かあしたか来年か

知らないことは気にしない


だけどカエルにゃ負けられぬ

今日も全力ひとっ飛び


そうだカエルにゃ負けられぬ

次の一手に全力集中

明日死んでも悔いは無し


だけどごめんねカエル君

全てよけては通れない

こちらの勝手な都合です


だけど世界は厳しいの

あなたに勝ち目はありません


道路を渡るその時は

どうか十分気をつけて


それじゃあ僕も帰ります

たまには改造ネタ。

$
0
0

 応援の建前と屋根仕舞い。


 僕は雨が心配で相当にまずい状況だと思ったけど、棟梁さんの人徳か、作業に影響するほどの雨は降らず、昨日をもって無事終了。


 応援の大工さん達も、よく気が利いて腕の立つ人ばかりで、僕なんかは後手後手に回り、右往左往するばかりです。


 そんな中、屋根に置くと落ちそうなので、充電ブロアにもフックが欲しいと思った。


 思ったので、つけてみました。


 なはー。


 

 


 腰に差したとき、あまりブラブラすると動きにくいので、この位置にしました。


 


 

 固定は、ビスでは都合が悪かったので、電線用の結束バンドで。



 保険が利くように、4本使用です。



 これで、足場にも引っ掛けられるようになりました。




 それから、家に帰ってからは、ちょいと内職です。


 長く使っている腰袋がずいぶん傷んできたので、新しいものと交換の準備。



 見習いの頃からずっと同じ型を使い続けているので、かれこれ17年くらい、変わっていないかも。


 未だにあちこちで売られているので、人気があるのでしょうか。


 でも、急に廃盤になると困るので、常に2丁はキープしてあります。




 丈夫な糸で、差し金用のポケットを増設。


 いちど便利さを覚えてしまったら、癖になるので止められません。




 居間でお茶を飲みながら、ひと針ずつ縫い進めて、かれこれ1時間。


 出来ました。




 改造しないと満足できない、ややこしい人間になってしまった・・・。



 あーめんどくさ(笑)。





 あとは、チビカネの磁石とか移設するだけなので、簡単です。明日の朝、現場でベルトに通そうかな。



 気持ちも新たに、頑張りましょう。ではでは。







おNEWの釘袋。

$
0
0

 昨日、少々手を加えておいた新しい釘袋を、ベルトに通しました。



 うむ、オッケーである。



 古い方は、解体して、使えるパーツはとっておくのだ。



 牛革は結構丈夫なので、いろいろ使えます。



  さて、釘袋も新しくなったことだし、お仕事頑張る!



 お昼休みには、ちょっとお勉強。 お勉強といっても、電話でお邪魔して耳学問です。


 あつかましくいろいろとお伺いしましたが、とても勉強になりました。



 ところで、充電丸鋸を新調してから、約1年間使いました。



 取り回しが良ので、使い出すと予想以上に依存性があるようです。



 100V機とZソーの使用頻度が極端に減ってしまいました。


 時と場合に応じて、適当に使い分けるように気をつけようと思います。



 ところで、ひと目見たときから心配だった部分が、やはり弱点のようで、




 機械の後方には傾斜の固定装置がないので、この深さ決めのヒンジ部分だけでベースの直角を支えている訳ですが、いかんせん強度不足。ガタつきがあります。


 平行度微調整ネジの反対側のナットを固く締めればガタつきは幾分小さくなりますが、深さ調整の動きが重くなります。


 

 他には、サブベースの強度不足は明らかで、補強しても、やはり狂うのが早いです。


 
 良い点も挙げるとすれば、パワーについては満足です。


 6Ahバッテリーのスタミナと劣化耐性も素晴らしいです。


 キックバック軽減も意外と悪くないと思います。



 あ、でも、サイレンとモードは、僕はいりません。



 総じて、丁寧に扱っても、どんどん調子が落ちてゆくので、肝心な部分の強度が不足しているのだと思います。


 

 理想は、重量は今より重くなっても構わないので、際切り無しの堅牢ベース、傾斜の固定が前後にあって、支持部分のがっしりした機種があれば、もう一台買い求めて使いたいですね。



 あ、それと、安全装置の解除ボタンは逆手使いも想定してくれないと、まったく使えません。これとっても大事です。


 そんな感じです。


 あ、いちばんの問題は、作る側の人がこれを読んでないと意味ないってところでしょうか(笑)。



さようなら、みずおばちゃん。

$
0
0

 今日、伯母の通夜に参列してきました。


 先週末、脳内出血で倒れ、そのまま旅立っていきました。




 高齢ながら、現役で一家の大黒柱を務めていたような人だったので、家族のショックは、いかばかりかと。


 つい先日も、美味しいイワシの干物を、我が家にも届けてくれたばかりでした。




 伯母は、いつも明朗快活で、何でも出来る人でした。


 


 料理したものは何故だか美味い。


 裁縫は我流ながらも、プロでした。


 家の修繕も自分で。大工仕事や左官の真似事も。



 お嫁さんたちもそれなりにパリッとした人ですが、


「何をやっても、80過ぎたお母さんに歯が立たない。」


・・・と。


 息子いわく「我が家には嫁姑問題はないのよ。」


 嫁さんいわく「勝負にならないからね。」



 娘時代は、田舎ではちょっと目立っていたらしいです。


 というのも、僕が現場でたまたま伯母と同郷の職人さんとご一緒して、田舎の話をしていると、僕の苗字に気が付いて、


 「ああ、あの人か、綺麗な人で、字がうまくて、絵がうまくて・・。」


てな具合で。



 市街地の商店に嫁入りしてからは、出入りの奉公人さんのお世話も含めて、家事一切と子育て、それにお店の切り盛りを長年、こなしました。



 それから、当時は介護サービスなんかはありません。年寄りの介護を順番に何人もこなし。


 住宅事情で、2階に寝ているおじいさんを1階のお風呂に入れる為に、伯母はおじいさんをおんぶして、階段を上がり降りしていたそうです。


 誰も助けてはくれないけど、意地があるわけです。

 亡くなる直前もまた、伯母は年上である夫の介護をしていました。 薄れ行く意識の中で、やり残した仕事である夫の介護のことを、彼女は考えたにちがいないと、僕は思います。



 店を継いだ息子が販売しているブランド物の服の寸法直しも未だにやっていました。


 「この縫製は、下手くそなことしとる。」


 とか言いながら、新品の服を解体して、綺麗に縫い直したりとか。



 さすがに目が薄いので、

 

 「針穴に糸を通すのが素早くいかないのがじれったい。」 


 とか、言いながら。

 もし、そんな伯母が違う時代に生まれて、学問を修め、職業を得たなら、一体どれだけの仕事をしただろう? なんて、意味の無い事を、ついつい考えてしまいます。


 本当は、お店と家庭を照らし続けただけでも、大仕事なんですけどね。



 

 この僕も、生まれてからこの歳になるまで、ずいぶんと可愛がってもらいました。


 僕の母からは義姉になりますが、「おねえさん、おねえさん。」 と、大変に慕って頼りにしていたので、さそ寂しいことだろうと思います。


 とにかく理解が早くて、話せる人だったから。


 

 家族に生涯をささげ、自身は最期まで床に伏すこともなく、ひっそりと咲き続けたその大輪の散り際もあざやかな、日本のおかあさんでした。




 みずおばちゃん、長い間、お疲れ様でした。 


 ありがとう。


 さようなら・・・。

Viewing all 778 articles
Browse latest View live