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効率化と危機管理。

 最近いつだったか、蟻さんについての研究成果が、新聞やネットニュースに載っていました。



 個体の動きを詳しく観察すると、働きアリの中には、役に立つ仕事を何にもしていないヤツが必ず一定の割合でいるのだと。ただウロウロしているだけ。浜ちゃんですな。



 でも、群れの中から働き者を取り除くと、怠け者の一部が働き出して、浜ちゃんの割合は変わらないのだそうです。逆も同じで、浜ちゃんを取り除くと、働き者の一部が浜ちゃんになる。


 そんで、浜ちゃんの割合が適切な群れは永く繁栄するのに対して、浜ちゃんが少なくて働き者が多すぎる場合は、アクシデントに弱くて、ちょっとしたダメージがきっかけで、群れが衰退してしまうのだそうです。



 (この話、如何にも新発見の事実のように書いてあったけれど、昔から有名な話でしょうに。子供の頃から、何回も読んだことがあります。報道って、いい加減だなあ。)




 さて、前から気が付いているのだけど、効率化と危機管理って、殆どの場合は相反します。



 友人の中に、とある病院の看護師長がいますが、大勢居る部下の中の、たった一人の看護師さんが体調を崩して休職しただけで、シフトに無理が生じて、自ら夜勤の穴埋めに入るしかないのだそうですよ。



 人件費にロスが出ますが、やや過剰な人員を配置しておけば、無理なく対応出来るはずです。



 もっと解りやすい例を出すと、消防車や救急車の数を増やせば、災害のときには対応し易いけれど、

普段平穏なときには、税金を喰うだけです。



 僕が思うのは、良い悪いでは無くて、バランス感覚の問題。


 効率化と危機管理とは、バランスをよく考えて、両方に気を配るべきだと思うのです。



 ところが、現在の経営者さんのやり方を見るにつけ、効率化だけに気を取られ過ぎな気がします。



 大工の仕事でいうと、工具のバックアップ機を準備しておいたり、ひとつを使い回せば済む小物を、現場のあちこちや車の中に複数用意しておくとか。



 ときには有効な無駄もあるので、無駄無駄と切り捨てる考え方を、あまり安直に適用しないようにした方が、いいような気がしますねー。



 効率化を考えるときには、必ず危機管理の面にも気を配って、バランスよく検討しましょう。

 もちろん、逆も同じです。



 と、僕はそう感じるのですが、みなさんは如何でしょうか?






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