慣れてきた。
現場プチクイズ!!~変則投墨の巻~
仲間には申し訳ないけれど、現在、殆どの応援依頼は、お断りするしか無い状況です。体が一つしか無いので、本当にどうしようも無い。
でも、断れないとか、断りたくなくて、無理をする場合も、やっぱりあります。
特に、昔、助けてもらった、または将来自分を助けてくれるに違いない人とは、出来るだけ大切にお付き合いしておきたいですもんね。
そんなわけで、今日は建前応援に行ってきました。
改造現場のお客さんに叱られながらね(苦笑)。
で、そこでちょっと面白い問題が出たので、ここに出題してみたいと思います。
隅木側面の切り墨(投げ墨)を求めて下さい。
寄せ棟で、屋根勾配は3.5寸。隅木の振れはありません。
但し、設計屋さんの趣味で化粧鼻隠しは矩ではなく、勾配矩手よりも15°下端を内に入れた角度で取り付きます。なので、垂木鼻はその勾配カット。
15°で作図すると、鼻隠しの向こう留め墨は、鼻隠し天端に対して5.6寸の返し勾配となりました。
さて、隅木側面の切り墨は、隅勾配に対して、いくらの勾配になるでしょうか?
僕は、作業中は勘違いをして、間違った答えを出しました。
でも、休憩時間に集中して考えると、だんだん解ってきましたよ。
やり方はいろいろあると思いますが、挑戦してみて下さい! 回答お待ちしています。
クイズ解答編。
・・・と言っても、既にみなさん正解されてますけど。
えっと、僕のやり方は現場お急ぎ用でして、アプローチが違うところもあるんで、良かったら見てみて下さいね。
では、目標3分で求めます。
まず、与えられた屋根勾配と、鼻隠しの勾配を描きます。(これは現場に図面があるはず。)
鼻隠しを15°振ったとき、これが垂木鼻矩切りだとすると、相当する仮想の屋根勾配(赤線)は、約6.8寸勾配となることが、測り取れます。
これを元に、下のような作図で、欠勾を求めると、4.65寸と出ます。
そしたら次に、6.8寸の隅木の勾配を描きます。
投げ墨は、墨勾配に対して、隅の欠勾勾配の返しになるので、
これで投げ隅が求められました。
ところが、実際には隅木は3.5寸隅勾配で入っているので、3.5寸隅勾配を書き加えて、投げ墨とのなす角度を測り取ります。
すると、約5.74寸と出ました。
(計算の答えに、まあまあ近いです。)
欠勾を使って出すやり方の便利なところは、現場で隅木に直接一発で切り墨が描けるところです。天端か下端に差し金を一度当てるだけなので。
逆に面倒だけども覚えやすいのは、縦水に対して裏目勾配。
これは、投げ墨は垂木鼻の見通しなので、隅だと水平方向にだけルート2倍の延びが出ることから、そうなる理由もわかりやすいです。
ただ、縦水基準だと隅木側面に作図スペースが無いので、水に対して裏目勾配の返しを出す方が、仕事の上では、たぶん便利です。
あれ、3分は大分過ぎたかな。
さて、上のやり方を、計算でやってみます。
3.5寸勾配を、角度に直す tan-1 (0.35÷1) = 19.2900 度
これに 15° を たす 19.29・・・ + 15 = 34.2900 度
勾配に直す tan 34.29・・・ = 0.68189
中勾を求める 0.68・・ ÷ ルート(1 + 0.68・・ × 0.68・・) = 0.56338
欠勾を求める 0.56・・ ÷ ルート(1 + 0.68・・ × 0.68・・) = 0.46546
隅の欠勾の返し勾配は ルート2 ÷ 0.46・・ = 3.03828
角度に直すと tan-1 3.03・・・ = 71.7819 ←投げ隅
一方、3.5寸隅勾配を角度に直すと tan-1 ( 0.35 ÷ ルート2 ) = 13.9006 ←隅木勾配
6.8寸の隅も角度で出さないと tan-1 ( 0.68・・ ÷ ルート2 ) = 25.7422 ←仮想隅木勾配
隅木と投げ隅のなす角は 71.78・・・ - ( 25.74・・ - 13.90・・ ) = 59.9403
勾配に直すと tan ( 90-59.9403 ) = 0.5787
よって、5寸7分9厘と言う結果が出てきます。 これの返しが答えですね。
設計屋さんが15°とか・・角度を持ち出すので、三角関数が出てきて面倒です(怒)。
鼻隠しは7寸返し勾配で・・・とかゆーふーにしてくれたら良いのにね。
ところで僕も、 ryota さんの意見に賛成です。
計算は、ミス一つで意味不明の答えが出るし、検証もしやりにくいので、やっぱり作図をした方が良いと思います。
最後に、ryota さんのシンプルな計算式を、紙の上に展開してみると、もうちょっと解りやすいのかなーと思ったので、やってみます。
間違っていたらごめんなさい。
こういうのは、お勉強がどうのとかというより、訓練ですね。
大工仕事と同じで、考えてはやってみて、やってみては考える・・・しかないです。
ちょっとクイズで遊ぼうと思ったら、エラいことになってしまいましたが、自分も良い訓練になりました。
ではではー。
春よさらば!
いよいよ暑くなってきましたねー。
これから当分は、あちーあちーゆうて仕事せんといけんのじゃろうなー。
この季節、家のまわりには、色んな草木が花をつけて、楽しませてくれます。
あ、鯉のぼり、そろそろ片付けないと・・。
庭の片隅では、ほったらかしのイチゴが沢山実をつけています。これけっこう美味いんよ。
イチジクと柿の木も、ますます元気。
そして山からはムカデたちが襲来。
おかあちゃんが撒いた粉薬の効果で、早速あちこちにひっくり返ってます。
なむー。
今朝は、小4の長男が早起きをして、昨日から狙っていたというデッカイ魚を、川で見事に捕獲して帰ってきました。いつの間にか、成長したな-。 よいぞよいぞ。
おかあちゃんも、小学生3人にギャーギャー言いながら、末っ子に乳をやって頑張っています。
お父さんは、そんな平和を守るため、自分の健康を壊さないようにしつつ、外で戦い、勝利を得て帰らなければなりません。
いまは結構大変かも-。でも、目の前の出来事に一喜一憂せずに、頑張れているかな-。
自営業って安定とは無縁だけど、人生が退屈。ってことは全くないのが、気に入っています。
自分の時間を切り売りしてお金と交換するんじゃなくて。
毎日知恵を絞って、まわりを見回して、勉強して、体を使って。そうして人様のお役に立ったぶんを、これまたキチンと回収するのも、やっぱりタダではいかないというかね・・。
うおっし、明日も頑張る-!
今週もいろいろありました。
いろいろあったけど、なんとか乗り切ったかな~。(?) あー疲れた・・。
寝不足でウサギさんみたいに目が真っ赤。
ちろりーん!
あ、またさっき設計変更依頼のラインが入りました。
あのー、うちは工務店なんです、コンビニじゃありません。
今日は知ーらないっと。
明日は日曜だ、休もやすも、やーすもーー。
さて、何ヶ月か前、Zソーの折りたたみ式が出来たらしい・・と聞いてから、何となく探してはいたものの、どこにも置いてありませんでした。
先週、やっと店頭で見つけて買い求めたので、ご紹介します。
使用目的は、屋根仕舞い用。
道具カゴとか、釘袋に入れやすいから。
広げると、ご覧のように通常の柄よりも若干長めです。
まあ、刃を収納しないといけないのだから、仕方ないよね。
重さも少々感じます。僕は軽い鋸が好きなのですが、そこは我慢です。
グリップの良さと、作りの良さは、良い感じ。付属の替え刃が新しい形ですが、そこは興味なしです。
おまけとして、首切りフォームにも、チェンジできます。
以上、コマーシャルでした。
モノ作りの本質って何だろう。
ちょっとタイトルに力が入ってしまいましたが、そんなにヤヤコシイ話ではありません。
昨夜のこと、岡山駅から地元まで、JRのローカル線で移動する機会がありました。
車内でふと天井を見上げると、まだ稼働していない扇風機が目に入りました。
プレートの製造年月を見ると、「昭和56年1月」。
乗っていた客車には、3mおきくらいに、数台の扇風機が設置されており、よく見ると、そのうち1台だけは、プレートの形が他と違います。
真下まで歩いて行って、製造年月を見ると、そこには「昭和43年6月」。
・・・ぼ、僕より先輩だったん・・・ですね。
メンテや修理は当然行われたにしても、まだまだ十分役目を果たしているこの電気機械は、もうすぐ製造から50年を迎えようとしているのです。
つまり、50年前に、50年以上使えるモーターと、旋回装置と、軸受けや歯車を作る技術が、既にあった。
しかし、現在の市場にある家電の寿命は、扇風機に限らず、それよりも遙かに短いわけです。
商品に競争力を持たせるためには、製造コストを抑える必要もあるでしょう。
機能やデザインの新しいものに買い替えてもらった方が有り難いので、そんなに丈夫に作る必要がないのかもしれません。
ただ言えるのは、製品を開発する技術者は、自分の持てる技術を余すところなく注ぎ込んで、最高に近いものを作ってるわけでは、決してない、ということですね。
そしてそれは、我々建築に携わる職人も同じかもしれないな、と、ちょっと思いました。
しょうもない材料。
おそらく数年で故障するだろうとわかっている、既製品の建具。
重いものを載せると大きく変形するとわかっている、押入れの棚。
手間代に応じて省力化した収まり。妥協した仕上がり。
そういうのに、すっかり慣れてしまってもいけない。
かといって、100%拒絶して仕事出来るのは、これまた、相当に特殊な環境を除いて、なかなか無いだろうと思います。
何事もバランスといいますが、やっぱり職人だったら、自分の持っている技術をしっかりと注いだものを世に送り出したい、と思うのが、正直な気持ちじゃないかと。
僕の建てた家には、50年後にも、ちゃんと人が暮らしているだろうか。
もし、あの扇風機にも負けるようなことだったら、相当に情けない。
そうならないように、明日からもまた、仕事に身を入れる。 それしかないです。
とってもラッキーかたさん。
最近いろいろ大変なこともあるけれど、ちょっとツイてることもありました。
貰っちゃっいました、込み栓角ノミ。
いつか絶対欲しいと思いつつも、何故か、待っていたほうが良い気がして、購入を控えていたら、
天から降ってきました。きっとフォースの加護です・・・いや、違いますね。
どうしてこうなったのか、記憶を辿って、よく考えてみます。すると、そもそもの始まりは、33年前くらいに遡ることがわかりました。僕は大工じゃないどころか、まだ小学生ですよ。やっぱり運だけじゃなくて、小さな出来事が沢山集まって、今を作るんですね。決して、狙って出来ることではありません。
感謝感謝。
そういえば、月末で9ヶ月になる3男坊は、昨日から、掴まり立ちをするようになりました。
貰った機械の手入れをしたいけれど、それどころじゃないかも。
さあ、明日も、お父さんはがんばるー!!
あたらしい標語。
「お客様は神様だ。」
っていう標語を、よく耳にします。
僕は根が商売人ではないのか、それとも、まだまだ未熟なのか。
この言葉には、どうしても違和感を感じて来たんですよね、ずっと。
で、最近あたらしい標語をひょっこり思いつきまして、これがなかなか気に入ったので、聞いて下さい。
「お客様は、お客様。神様は、神様。」
結構面白い。自画自賛。
賛否両論あるでしょう(笑)。 わかる人にはわかるはずのユーモア(のつもり)。
昨日の続き。
昨日の記事を書いたあとで、ちょっと調べてみました。
すると、昭和人間なのに僕が全く知らなかったことが、すぐに調べ当たりました。「お客様は神様です。」のフレーズは、故・三波春夫さんが言ってから広まったものだったのですね。
そしてこれは、自身の芸と観客との関係について述べたもの、だったようです。
いわく、
「舞台に立つときは敬虔な心で神に手を合わせた時と同様に心を昇華しなければ、真実の芸はできない。」
「いかに大衆の心を掴む努力をしなければいけないか、お客様をいかに喜ばせなければいけないかを考えていなくてはなりません。お金を払い、楽しみを求めて、ご入場なさるお客様に、その代償を持ち帰っていただかなければならない。」
これは、単なるリップサービスでも客に媚びている訳でもなく、客前で何かを披露するという芸の本質を語ったもの、ということのようです。
また、このフレーズの“真意とは違う”使われ方を「歓迎出来た話ではない。」とし、「お客様」とは商店や飲食店などの客ではなく、聴衆・オーディエンスであり、「この言葉を盾に悪態をつく客は『様』を付けて呼んで貰えるような人たちではないと思います」とのことです。
いやはや、不勉強でした。
ここからは自分なりの蛇足ですが、神様は神様なので、そもそも取引相手になってもらう対象では、あり得ないと思います。お金を下さいとお願いすることもないし、逆にお金を渡して何かをねだることもありませんね。
もし神という存在があるなら、全ての人が既に救われ済みで円満でなければ理屈がオカシイので、ただただ感謝していれば良いだけだと思うのです。
子供を鍛える。
我が家のチビ達も、上の2人は小6と小4。そろそろ簡単な理屈は解る年頃になってきたので、近頃、夜の団らんのときに、簡単なとんちクイズや討論をして遊んでみました。
とんちクイズは、有名な、1匹のオオカミと2匹の羊とか、地獄の門とか。
討論は、特に正解が決まってなく、子供が興味を持ちそうな”お題”を出して、小理屈こね回して、飛び出す珍説に大笑いします。
例えば、
① ドラえもんの登場人物の中で、最も人格者と呼べる者は誰か。またその理由は?
② 同じくドラえもんの登場人物の中で、特に変人だと思われるのは誰か。またその理由は?
①も②も、子供の答えは、「のび太だ」というところから、スタートするんですよね。
映画で彼の良心と勇気が美化されているし、0点なんかは、そう簡単に取れるものじゃないよと(笑)。
(お父さんの解答例は、下に書いておきますね。)
どうしてこんなことをするのかというと、それは、物事をいろんな角度から捉えられる考え方を身につけて欲しいから。それと、冷静な目、鋭い着眼点を養って欲しいから。また、相手の主張を理解したり、自分の主張を整理して、わかりやすく相手に伝える練習をして欲しいから。あと、単純に面白いしね。
では、お父さんの解答です。
① 人格者は、ドラえもん。 理由:のび太はドラえもんを裏切り続けるけれど、ドラえもんはのび太を裏切らないから。
② 変人は、しずかちゃん。 理由:ジャイアン・スネ夫あたりは、どこにでもよく居るタイプ。一方で、小学校高学年にして、単独で男の子グループとばかりつるんでいる女の子などは、見たことがないから。
手段の自己目的化に気を付けて。
幼い頃に読んだ本の中に、「明るい話・正しい人-1年生-」というのがありました。
偉人や学者のエピソードを短く紹介して、公正や、正直、勤勉、動物愛護、協力、慈愛などの精神を語りかける内容でしたが、その中に、強烈な印象を残した話がありました。
話はこうです。江戸時代、学者の貝原益軒は牡丹の木を庭に植えて、非常に大切にしていた。ある日、留守中に門下の書生と隣家の下男が庭で相撲を取り、勢い余って木を折ってしまった。帰宅した益軒に恐る恐るこれを謝罪すると、一瞬、彼の顔色が変わったが、すぐに穏やかに戻り、こう言った。
「牡丹は楽しむために植えているのであって、怒るためではありません。かまいませんよ。」
本には、子供向けに、「広い心で許しましょう」みたいなことが書いてありました。
でも、僕が感じたのは、次のようなことです。
「そもそもの目的を思い出せば、物事の判断は、随分と妥当で前向きにできるものだ。おかしな混乱や争いは、大抵、そもそもの目的を忘れるところから起きるのではないか。」
以来、このエピソードから受けた感想は、ずっと自分の考え方の中に、根差してきたような気がします。
年月は流れ、あるとき、こんな言葉を知ります。
「手段の自己目的化。」
まさにこれだと思いました。世の中に、オカシイくらい溢れかえっている、不毛な混乱の原因です。
何かの目的を追うための、方法の一つだったことが、いつのまにか目的とすり替わるんですね。
そんなことって、ありませんか? 例えば学歴崇拝とかは如何なんでしょう。
自分は結局、どうなりたいのか。
今頑張っていることは、結局は何の為なのか。
叶えたい目標の奥にある、本当の望みは何なのか。
ときどき、思い出すようにすれば、色々なことがもっとシンプルに見えてくるんじゃあなかろうか。そんな気がするのです。
難局。
明日は、重要な交渉事の決着を図ります。
交渉と言っても、値切り交渉とかではなく。
関係者で、どのように痛みを分けるのか、または、違う形の決着を目指して冒険の旅に出るか。
責任者の一角が逃げ腰であり、彼の要求を全て認めてしまうと、こちらの被害が大きすぎます。
かといって、論陣を張って言いくるめてしまっても、いけません。
圧勝は、いちばんいけません。
4:6 くらいで、微妙に負けて終わるくらいが良いと思う。
さて、どのようにしたら、上手くいくでしょうか。 やれやれ・・・。
家のまわりの生き物たち。
我が家は岡山市内であり、国道も近い場所ではあるのですが、至って田舎です。
写真は家のすぐ近くの踏切のそば、いつもカメさんたちがいる場所。
今日は2匹だけですが、もっと混み合っていることもあります。余程、良い場所なんでしょう。
水面からの高さが結構ありますが、小さい子はその短い足で、いったいどうやって這い上がるのか、いつも不思議に思います。まさに上がろうとしている現場を見たことがありません。
そして、この真下の用水路には、よく鯉がいますね。
そういえば最近、うちの庭に、ウサギが出ます。この前の日曜にも、畑の向こうで何やらモグモグ食べてましたが、可愛いですよ。 保護色なので、簡単なデジカメで写しても、たぶんわかりませんね。
あと、庭まではやって来ませんが、夜中にイノシシが森の中、枝を折って歩く音が、よく聞こえます。
ワサワサ、パキパキ。
ホタルも来ます。ちょうど今は、一番遅い最後のヤツもいなくなる頃です。
小鳥も沢山。
鳴き声のバリエーションがあまりに多いので、一体何種類いるのかわかりませんし、名前もほとんどわかりません。通過中の渡り鳥も結構いるようで、本当に種類が多いです。
サルもときどき、出てくるようです。目撃例もあり、スイカを盗まれたりもしました。
そんな場所とは知らずに住み着きましたが、何だか楽しくて、得した気分ですね~。
(ただ、うれしくない虫も多いですけれど。)
待つ。
ここ数日は、終了現場の後始末と、次の現場の段取りで、ウロチョロしています。
記事に載せられるようなことが何も無いので、カメさんの写真撮ってみたりしながら(笑)。
さて、最近、大工仲間からこんなことを言われました。
「かたさんに、弟子がいたらいいのにね。」
有り難い言葉ですが、そう言われて初めて、気が付いたことがありました。
周りがそういう目で見てくれるようになって、そこでやっと初めて、人が集まるチャンスが、出来てくるのかなと。
そうすると、今までは、もしくはこれからもうしばらくは、人を雇うのは時期尚早だったのかもしれないなー、って。 募集しても、誰も来ないしね。
世間の見る目は、けっこうシビアだったりしますから。
人雇うのはめちゃ大変だよ、っていう意見も、あります。さぞかし、そうでありましょう。
どっちにせよ、目の前のことを、しっかりやっていれば、また次の展開が待っている!きっとね。
ということで、さあ、働きましょう。
振り出しに戻る。
今日は、人様のお家の、お風呂と台所を、ぶっ壊しました。
解体からの、工事スタートです。こなったら、もう後には退けません。
こないだの現場に続いてまた、”住みながら大リフォーム”なので、既存のキッチンと洗濯機を、生活待避エリアに移設しました。お風呂は、1日も早く使えるようにしないと。
今回は躯体が軽量鉄骨造の家なので、少々勝手が違います。
頭を柔らかくしないと。
解体スタートの重たさは、親方でやったことある人なら、わかると思います。
頑張るー。
やっぱ、こうでなくっちゃ!
お客様住みながらのリフォーム現場。
何故かこのパターンの本年第2発目(むむむー)。
第1工区の解体が、ほぼ完了しました。
写真はユニットバスが30年間あった場所ですが、軽量鉄骨の状態が、とても良いです。
一番条件の厳しい、隅っこの部分も、錆ひとつ無く、健全です。たいした物です。
この年代のこの手の構造だと、特に北面の鉄部材はボロボロに錆落ちて、柱が無くなっているような状態の家を数多く見てきました。それだけに、今回は、軽い驚きでした。
傷みが無い理由のひとつが、たぶんこれ。
外壁は、鉄板、インシュレーションボード、発泡スチロールのウエハース構造で、鉄柱の外側に隙間なく貼られていて、乱暴に言えば、昔式外断熱構造です。だから、鉄が汗をかきにくいのかなー。
小屋もきれい。野地にシミひとつ無く、健全そのものです。
ちなみに、鉄製の合掌は、結露水が斜材を伝って棟の下に集まるため、天井に雨漏りのようなシミが現れることがありますよ。この家については、そういう痕跡は無し。
さて、この家って、傷みが少ないだけじゃなく。解体する前から、なにかわからないけれど、何となく良い雰囲気を感じていました。いわば、フォースのライトサイドを感じるんです。
・・・解体を進めてゆくと、その理由がわかってきましたよ。
まず、所々、根太垂木と大引きの間に、ルーフィングが挟んであるのを発見。
わずかな不陸も修正しよう、という気持ちのある大工さんが、後ろを振り返りながら仕事をしたことがわかります。
次に、ユニットバスとキッチン背面との間にあった、間仕切り壁の位置。
壁の跡が、柱より15センチほどUB側に振っているのが見えるでしょうか?
メーターモジュールのグリッドに対し、間を崩して、デッドスベースが出来ないように、キッチン側を広くとったんですね。実はこれ、設計時の図面と食い違っています。
ご覧の通り、某メジャーなハウスメーカーの家なので、普通なら何も考えずに図面通りに作ってしまうのが当たり前なんでしょうけれど。でもこの大工さんは、自分で機転を利かせたのか、それとも監督さんの提案に応じたのか、お客さんに配慮した措置を講じています。
他にも、天井下地は米松45角を相い欠ぎで格子に組んであり、とっても丈夫。
壁通り、内間寸法、建付、レベル、どれもキッチリしていて、改装をする自分としても、非常にやりやすいんですねー。滅多に無いことです。
この、30数年前の先輩大工さんの手の跡に触れて、僕は何だか、清々しい気分になりました。
いわゆる、ザ・大工みたいな、白木の化粧仕事や細工、組み手のある家じゃあないんですよね。でも、この家にはちゃんと、職人の技術、誇り、そして心意気が、息づいていました。
その気合いというか、心配りが、何とも言えない良い雰囲気を醸し出していたんですね。そして、長い間、ここのご家族の生活、健康、財産を、そっと守り続けていたんです。
やっぱ 「仕事」 って、こうじゃなくっちゃ!!!
そう、思いました。
何だか迷信じみているかもしれませんが、本当に、家に入ったら、雰囲気ですぐに、感じることがあるんです。本物の職人さんが手がけた、気持ちの入った家。
その人の手が入ると、何だかわからないけど、雰囲気の良い空間になる。そういう大工さんが、ごく僅かですが、いらっしゃいます。
これって、「大工の究極技」 じゃないかなって、思うんです。 北斗神拳で言うと、「無想転生」みたいな。
(あ、無想転生は、哀しみを背負った者だけが、体得出来るんでしたっけ。)
削りカスが1ミクロンってのも面白いけども、僕はこれもしっかり身につけたいなー、なんて。
思い出の玄関。
リフォーム現場の玄関ドア。
両袖親子です。
先日解体した軽量鉄骨部分とは違い、玄関付近は増築で、木造です。
実は、このドア、17年ほど前に、僕が見習い坊主の頃、初めて独りで取り付けたものです。
冬のある日、親方と一緒に、刻み起こしと屋根仕舞いを1日でやって、
「じゃあ、明日からこの現場、おまえ独りでやれよな。」
「え? ・・・えー!?」
てな具合で、独りで放っておかれた、思い出深い初めての現場。
親方から、電話で、指令が。
「玄関ドアは、建具を吊ってみてから枠を固定しろ。」
そこで、サッシ屋さんに 「建具も持ってきて欲しい。」 と依頼すると、
「固定してない枠に建具吊れないし、重すぎてどうにもならないでしょ!」
・・・ 一体どうして良いのか解らなくなり、考え込んだものです(笑)。 懐かしい。
これは、大工人生で初めて入れた玄関框と式台。
昭和ボルト6本で縛った記憶がありましたが、覗いてみると、その通りでした。
でもまさか、将来自分で撃ち割ることになるとは、想像もしませんでしたね。
(収まりの都合で、天端を割って取りました。)
数奇なものです。
さて、現場の方は造作に入り、備品も棚に片付けて、やる気モード。
久しぶりに、仕事が楽しい感じです。
段取りやプランのからみはいろいろありますが、大工仕事自体は、何でも来いです。
棚の後ろは仮壁なので、向こう側にはお客さんがおられます。
H様、しばらくご辛抱下さいね、良い住まいになるように、全力を尽くします。
ストレス解消。
今日は、現場からの仕事帰りに、別のお客様のところへ伺う約束でした。
なので、夕方少し早めに片付けて、いざ出発。
市内を抜けて地元に帰るコースです。
急ぐ道すがら、工具の中古品を扱うお店の前をいつも通り通過・・・すれば良かったんですが、今日は何故か良い出会いがある気がして、5分間だけ、物色することにしました。
機械類は、大方足りているので、サラッと見るだけ。ドリルやインパクト、充電工具はやたらと高価です。その値段だと、うまくすりゃ新品が買えますよってば。
反対に、電気カンナや溝切り系は、可愛そうなくらい安いですね。
・・・こうして値札を見るだけでも、大工作業の内容の様変わりが、如実にうかがえるのでした。
店の隅っこにうち捨てられた手打ちの鋸は、段ボール箱にぎっちり立ててあって、可愛そうに・・・。安くて良さそうなのもありますが、余分は必要ないので、スルーです。
鑿や鉋も、ごった煮のように箱に押し込められて、淋しそうにしています。
鑿、鉋は鋸とは違って、元の持ち主の酷い扱いがそのままダメージとして残っているので、使えそうなものは、ほとんどありません。
おや?
視線を移すと、そこには、回復の見込めそうな鉋が1台、ポツンとありました。
そうか、呼んでいたのは君だったのか。
鉋も、買い足す必要は無いのですが、そういえば最近ゆっくり研ぎ物もしていないので、買い求めて持ち帰り、気晴らしも兼ねて直してみることにしました。
時間が無いので、積み替えのために寄った倉庫で、急いでえいやあ!と、化粧直し。下端を仕立て直して、穂とか押さえの傷んだところを矯正。錆落とし、黒染め、油引き。
お客様のところで用事を済ませ、帰宅。
家族がみんな寝たので、先ほど研いでみました。
やっぱり他人の手癖を研ぎ下ろすのはしんどいね。
とりあえず、でけた。
結構キレイにになったでしょ。
鍛接線はビヨビヨと泳いでいますが、鋼はまあまあ薄いです。地金は柔らかく良質。刃先は硬くて研ぎにくい。 刃口はあまり広がってない。
裏鋤きもけっこう良い感じですが、残念、脚が太くなっています。
研ぎたての感じでは、喰い付きが良いので、もしかしたら切れるかも。
削りものは当分無さそうなので、今の現場で家具を作るときに、積層の木端を削って貰いましょうか。
あ、そういえば、買った値段は、¥2,480 でした。
元の持ち主さん、相当な丸研ぎではありますが、台の扱いは、ひと通りきちんと出来る人だったことが、見てすぐに判りました。中古でそんなのって、滅多に見かけませんね。
あ、研ぎ物楽しかったのは良いですが、いい加減、早く寝ないと。ではでは、おやすみなさい。。。
遊びも真剣!
先週、とある日のおかず。
友人が熱心に誘ってくれたので、少々無謀ですが、平日の夜、瀬戸内海に船釣りに行ってきました。
生まれて初めての船釣りで、船竿も、太鼓リールも、仕掛けも、初めて使うもの。
でも、その友達がまるで子守りのように世話をしてくれたおかげで、15~25センチのクロメバルを14匹釣ることが出来ました。大工仕事だと思って、教えられた通りにやってみたら、上手くいった。
ただ、終始激しく船酔いしてしまい、吐き気が酷い、頭が痛い、目は回るで、朦朧としながら根性だけで釣ってました。幸い、底とアタリはわかるので。
翌日、心配した友人から電話が。
「昨日エラいことになってたけど、大丈夫?」
「いや、もうボロボロよ(笑)。昨日は不細工なことで、ごめんね。」
「いやいや、逆に感心した(笑)。」
楽しかったよ、ありがとね。
でも、何故かあれから、体中が痛いの(苦笑)。
それから、何か心をリセットできる趣味を持つことって、良いことだなって思いました。
仕事も歳も、進むに従って、様々な負担がありますからね。
そういうわけで、今日の日曜は出来るだけ、体調の回復に努めました。
さて、今週も頑張ろう!!
新しい趣味発見かも。
草刈り機を購入しました。
マキタの18V×2本差しのやつ。バッテリーと充電器が要らないので、頑張れば買えちゃいます。
今日届いたので、早速、自宅裏手の草を刈ってみましたよ。
おー! 刈れる刈れる-。
・・・といっても、とっくに日は暮れているので、真っ暗。 なので、ヘッドライトを点けて草刈り。いまいち見えません。そりゃそうか。
しかも、家に帰ったらまず風呂に入ってご飯を食べないと、家族が困るので、すでに寝間着である。
寝間着にクロックス、ヘッドライトで夜中に草刈りって、きっと変なオジサンですよね。変なのは良いのですが、マムシに噛まれると嫌なので、早々に撤収。
音、とても静かです。
丸鋸もこういう感じになれば良いのに。
使い勝手と能率については、エンジンをさほどに使ったことも無いので、なんとも言えません。
それにしても、前から思っていたけど、草刈りってすごく楽しいです。何だかとっても性分に合うような気がします。
草刈りが趣味っていうのも、良いかも。まあ、たかだか量が知れているから、そんな呑気なことが言ってられるんだ。って、本職さんには言われそうですけど。
それとね、実は草刈りしている場合じゃなかったりするのが、痛いところ。でも、息抜きになるんだし、家の裏で出来るから、ありかもなー。