Quantcast
Channel: 大工かたさんの七転八起
Viewing all articles
Browse latest Browse all 778

鑿(ノミ)たち。

$
0
0

 昨日の玄能に引き続いて、今日は鑿で。


 車に鑿巻きは3つあって、普通の鑿、へんてこ鑿、叩き鑿に分けてます。


 へんてこ鑿は、コテ鑿とか、逆コテとか、バチ、2段コテ、床はりなどです。


 

 これは普通の鑿。


 


 これに全部入ってます。他に組鑿とか持ってません。


 帆布のまきまきです。あおりがあるので抜け落ちなくて良いのですが、キンキンに砥いだ鑿がすぐに布を突き破ってしまうので、ポケットの底にいちいち詰め物をしなくてはいけません。めんどい。


 紐でくくると緩むので、ゴムで束ねてます。

 

 


 中身はバラバラ、いろんなのが混ざってます。


 1分と2分は、100円で買いましたが、ちゃんと切れますよ。


 


 1分も真っすぐ砥げますが、カッコ悪いので砥ぎ方は見せられません。


 



 これは、親方がいちばん初めに持たせてくれた8分で、未だに持ってます。


 


 何も教えてもらえないまま、見よう見まねで砥ごうとして、返りを取ろうとキング800に裏を当てて、えらく怒られましたっけ。懐かしい。



 その数年後、ある現場の終わりに、この一本だけは、親方が新品を買ってくれたものです。


 


 7分です。中途半端ですが、メチ掘りに丁度良いのです。


 このノリゾーというやつが、とても良く切れるもんだから、それからというもの、新しい鑿を買うときは、ひたすらノリゾーでした。


 


 この寸2とか9分もそうですね。



 中習いで入った工務店にいた頃は、ガシガシ叩きまくったので、傷んだ柄を一度、挿げ替えてます。



 そこを出てからは、使う機会もめっきり減りました・・・。



 使いやすくてハズレが無いので、まわりでもノリゾーを買い求める人が次々出て来ました。

 

 やがて正直に全国区で人気が出たらしく、今は高価になりました。


 

 この9分は、そのうちで唯一のハズレです。




 良く切れますが、とても刃こぼれし易くて、てんぷら油で200度くらいで煮ても変わりません。


 手がかかるので役立たずですが、何故か妙に捨てがたく、未だに持ち歩いてます。



 その後、あちこちに行って、いろんな大工さんと出会い、他にも色々と良い物を見聞きしました。そんで、他の鍛冶屋さんの作も少しだけ買い足しました。


 

 でも、趣味で買い集める余裕もないし、あまり多く用意しても、結局よく使うものは決まってくるので、自然淘汰されました。巻き巻きに入っているものと腰の3本で、持っているモノのほとんど全部となります。


 良く切れる鑿は、桧の木口を突くと、ヌルッという感じで下りて、仕上がったような切り口になります。あと、節を叩いた後でも、また突いて使えたり。刃先が白くなるくらい傷んでも、妙に喰い付きが良かったりします。そのくせ、砥ぐときは砥ぎ易くて、すぐ砥げちゃう。


 不思議ですが、たま~に、そんなやつに当たります。


 要は、勝負どころで頼りになって、手間を取らない道具が、良い道具ですね。



 でも・・・はっきり言って、最近たいして穴も掘ってないです。いかんなぁー。









Viewing all articles
Browse latest Browse all 778

Trending Articles