昨日の玄能に引き続いて、今日は鑿で。
車に鑿巻きは3つあって、普通の鑿、へんてこ鑿、叩き鑿に分けてます。
へんてこ鑿は、コテ鑿とか、逆コテとか、バチ、2段コテ、床はりなどです。
これは普通の鑿。
これに全部入ってます。他に組鑿とか持ってません。
帆布のまきまきです。あおりがあるので抜け落ちなくて良いのですが、キンキンに砥いだ鑿がすぐに布を突き破ってしまうので、ポケットの底にいちいち詰め物をしなくてはいけません。めんどい。
紐でくくると緩むので、ゴムで束ねてます。
中身はバラバラ、いろんなのが混ざってます。
1分と2分は、100円で買いましたが、ちゃんと切れますよ。
1分も真っすぐ砥げますが、カッコ悪いので砥ぎ方は見せられません。
これは、親方がいちばん初めに持たせてくれた8分で、未だに持ってます。
何も教えてもらえないまま、見よう見まねで砥ごうとして、返りを取ろうとキング800に裏を当てて、えらく怒られましたっけ。懐かしい。
その数年後、ある現場の終わりに、この一本だけは、親方が新品を買ってくれたものです。
7分です。中途半端ですが、メチ掘りに丁度良いのです。
このノリゾーというやつが、とても良く切れるもんだから、それからというもの、新しい鑿を買うときは、ひたすらノリゾーでした。
この寸2とか9分もそうですね。
中習いで入った工務店にいた頃は、ガシガシ叩きまくったので、傷んだ柄を一度、挿げ替えてます。
そこを出てからは、使う機会もめっきり減りました・・・。
使いやすくてハズレが無いので、まわりでもノリゾーを買い求める人が次々出て来ました。
やがて正直に全国区で人気が出たらしく、今は高価になりました。
この9分は、そのうちで唯一のハズレです。
良く切れますが、とても刃こぼれし易くて、てんぷら油で200度くらいで煮ても変わりません。
手がかかるので役立たずですが、何故か妙に捨てがたく、未だに持ち歩いてます。
その後、あちこちに行って、いろんな大工さんと出会い、他にも色々と良い物を見聞きしました。そんで、他の鍛冶屋さんの作も少しだけ買い足しました。
でも、趣味で買い集める余裕もないし、あまり多く用意しても、結局よく使うものは決まってくるので、自然淘汰されました。巻き巻きに入っているものと腰の3本で、持っているモノのほとんど全部となります。
良く切れる鑿は、桧の木口を突くと、ヌルッという感じで下りて、仕上がったような切り口になります。あと、節を叩いた後でも、また突いて使えたり。刃先が白くなるくらい傷んでも、妙に喰い付きが良かったりします。そのくせ、砥ぐときは砥ぎ易くて、すぐ砥げちゃう。
不思議ですが、たま~に、そんなやつに当たります。
要は、勝負どころで頼りになって、手間を取らない道具が、良い道具ですね。
でも・・・はっきり言って、最近たいして穴も掘ってないです。いかんなぁー。