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Channel: 大工かたさんの七転八起
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お金について考える。

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 最近、お金について子供に聞かれて、以下のように説明しました。でも、そのうちに忘れてしまったときのために、ここに書き留めておきます。



 まず、お金は道具です。



 その本来の機能を簡潔に言い表すと、「債務・債権を記録保存し、証明する。」ということになります。


 これだけです。



 「債務」というのは、人に何か物資や財をもらったり、サービスを受けたりしたときに発生します。

 

 「債権」は、逆に、それらを与えたときに、得られます。



 お金を利用することによって、物々交換や口約束に比べて、ずいぶんスムーズ・公平に取引を行うことが出来るので、世界中で長らく採用されています。



 ところが、欠点もいろいろあって、例えば、正当な持ち主以外の人であっても、使うことが出来てしまう為に、お金の強奪や窃盗などという、ズルっこも、発生してしまいます。



 本来は、財やサービスを提供した人が、その価値のぶんだけ、「債権」を行使出来るのが、理に適っているのですが、そういう仕組みは残念ながら、未だ発明されていません。


 そのせいで、単なるお金の分捕り合いに血道を上げるのが、当然のように思ってしまう人も、出てきてしまいます。それを仕事と呼ぶ場合すら、あるほどです。


 

 では、一万円札に価値があるのは何故でしょう。それは、みんながそう思い込んでいるから。(政府の信用があるから、とも言いますが、同じ意味です。)


 それだけのことです。


 実際には、飾るほど綺麗でもないし、メモ用紙にするにも余白が少ないし、お尻を拭くには硬すぎるし、原価は20円ちょっとの紙切れですから。


 で、昔は金貨があった。じゃあ、金なら本当に値打ちがあるのかというと、これも、みんなが価値があると思い込んで欲しがるから、そう見えるだけ。まあ、電子部品に欠かせなかったりするので、紙より価値が高いかもしれませんが。


 だから、子供たちよ。お金を、神からの遣わされ物のように、勘違いしないようにしてくれ。くれぐれもね。

 崇拝の対象としては、まったく適当ではないんです。


 (「崇拝」というのは、「お金さえあれば・・・。」という、考え方のことですね。)


 インフレーションでお金の価値がどんどん下がるという経験をしていない人が、僕も含めて、現在ではほとんど大多数になってしまったので、お金の価値は不動だ。と勘違いしている人も、多いのです。



 そういうわけで、道具ですから、上手に使って、うまく付き合って下さい。


 そのやり方は、なかなか奥が深いようで、お父さんにもよくわかりません。



 最後に。ここ最近、計算機と通信技術のめざましい発展で、電子決済が普及しました。それによって、お金は、紙切れから、電気信号だったり、モニター上の数字に変わりました。

 移動も一瞬で出来るようになって、ヘッジファンドとか、株の小刻みな売り買いとか、変な商売が生まれました。


 つまり、「お金」は、その道具としての機能に、また新しい欠陥を抱えた、ということです。



 今後、その問題点が形を変えてだんだんと表に現れて来て、お父さんも、君たちも、そんな中を生きていくことになるでしょう。


 

 未来では、もっと良い仕組みが発明されているかもしれません。でも、その前に、良くも悪くも、いまの仕組みを良く理解して下さい。その為に、少しは勉強すること。


 ここからが最も肝心ですが、勉強と言っても、いまの仕組みを法令の範囲内であれこれ利用して、お金の分捕り合戦に勝つことが、目的ではありません。そういう人が頭が良いとか言われて幅を利かせているかもしれませんが、お父さんは、君は一体何を勉強してきたのか!と、叱りつけたくなります。


 そうではなくて、つまらないことに振り回されず、自分が本当に意味があると思える仕事に力を尽くせるようになる、人のために役に立てるようになる、その為にするのが、勉強だと思います。


 勉強したら、自分なりの見解を持って、出来るだけフェアに立ちまわって欲しい。



 その結果としてなら、お金がたくさん集まってくるのは、良いんじゃないでしょうか。使い方をきちんとすればね。


 いまの知識でお父さんがわかるのは、このへんが限界かな。 



 





 


 


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